2011年5月31日 
河内長野市長
  芝田 啓治 様
日本共産党 河内長野市会議員団

角野 雄一 ・ 丹羽 実 ・宮本 哲
駄場中 大介 ・ 武富 唱子
 
安心・安全、災害に強い街づくりのために (要望と提案)


 3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融事故は、戦後最大の災害となりました。東日本大震災で被災された方々に、謹んで哀悼の意を表すとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。河内長野市では、今回の大震災被災地に消防車や給水タンク車など派遣するとともに、市民から広く集めた支援物資を送るなど各種取り組みを強化されており、これらに対し敬意を表します。

 日本共産党市会議員団でも、被災者のための「救援募金」活動に取り組むとともに、日本共産党の組織をあげて救援活動を展開しています。私達は、防災に関して毎年の予算要望書でも具体的な事項を列記し要望してきましたが、改めて要望と提案を行います。今後の事業展開にあたり検討していただきますようお願いします。

  1. 東日本大震災での被災者支援のために、義援金、備蓄品や食糧の提供準備など、すでに取り組んでいる対策を継続・強化すること。被災者の受け入れなども検討されているが、実際の人数なども把握し、本市内の公営住宅だけでなく、民間の施設も含めて「空き施設」がないか調査、斡旋すること。
  2. 独立行政法人国立病院機構「大阪南医療センター」における救急医療の充実をはかるとともに、医師や看護師など医療スタッフの充足を市としても関わり要請すること。災害時における大阪南医療センターの位置づけを明確にしておくこと。
  3. 災害の際の「避難所」となる小学校・中学校をはじめとする公共施設の耐震化を急ぐこと。特に小中学校の体育館以外の普通教室。そのための財源確保を国に働きかけること。災害時の仮設増設用トイレのために、あらかじめ下水管を敷設しておく。
  4. 小学校の学校給食について、避難場所となった場合に食事を提供できるように、中学校とともに自校方式をめざすこと。
  5. 交通網の寸断などにより「孤立」が予想される地域には、衛星携帯電話の設置・防災用品(非常食・毛布・テントなど)を備蓄しておくこと。
  6. 災害時に援護を必要とする人達に対する防災対策を強化すること。
    (1)高齢者、障がい者のいる住宅の耐震診断・補強工事の実施、火災予防対策の強化、家具の転倒防止対策など。
    (2)ホームヘルパーやケアマネージャの協力、連携体制の確立。要援護者の援助体制確立。町会・自治会や自主防災組織からの要請があれば「要援護者名簿」の提供もすること。
  7. 災害時における市内の事業所の危険物取扱いを再点検するとともに、地域住民にも危険物の種類、量、危険の度合い、万が一の避難対策などを周知させておく。(放射線関係ー病院、研究施設など/大量の石油・LPGなど高圧ガス関係ーガソリンスタンド、工場や事業所のタンクなど、/毒物関係ー各種学校、研究施設など)
  8. 土石流・地すべりや浸水などが予測される地域での対策を強化すること。
    (1)地域での防災の備えを強化するために、地域の団体と行政の役割分担や消防団員・自主防災組織・自治会役員などの役割を明確にすること。そのために地域に応じた防災マニュアル案などを示すこと。
    (2)町会や自治会組織が災害時に、防災活動や相互援助活動に取り組めるように、体制の確立、防災活動に関する基礎知識と技能を身につけたリーダーの養成、防災訓練の実施など住民の防災意識をたかめる取り組みをすすめること。地域ごとに避難所までの経路や地域の危険箇所などを明確に周知すること。またその予算の確保に努めること。
    (3)「避難指示、勧告」の「伝達方法」についても、周知しておくこと。
    (4)災害時の避難場所となる施設周辺の安全点検を行うこと。
    (5)行政のイニシアチブで、住民の目による地域の危険箇所などの点検をすすめること。
    土砂災害(崖くずれ、地滑り、土石流)や水害(川や水路、ため池の決壊)の可能性の有無を調査するなど「安全で住み良い街づくり点検」を実施するとともに対策を講じること。
    (6)災害時に活用できる機器材の所在を調査し、平時から市民に周知しておくこと。
  9. 旧市街地の木造住宅密集地域では、地域の実情に応じて
    (1)消化栓や防火水槽の増設
    (2)消火栓から直接放水できる機材の配備
    (3)小型消防自動車や小型消防リヤカーの配備
    (4)防災空間の確保
    (5)地域防災訓練の実施
    (6)家屋の耐火・準耐火構造促進
    など、すすめること。
  10. マンション対策を強化すること。マンション居住者の相談に応じ支援対策を講じること。そのために、マンション居住者の代表による「協議会」を設置すること。
  11. 木造住宅などの「耐震診断・耐震工事」につては、助成制度が活用されるよう広報につとめること。
  12. 防災無線の整備を年次的にすすめ、消防団のサイレンについても改善すること。
  13. 住宅用火災警報機の設置につては、住民負担の軽減策を講じること。
  14. 国や大阪府がすすめている「消防の広域化」(消防本部の合併)については、市民の利益に反し、人員削減にもつながるものであり中止すること。また、国基準を満たすよう増員につとめること。
  15. 無秩序な開発やミニ開発を規制し、緑地の保存や将来にわたって自然環境の保全につとめること。そのために土砂埋立規制条例や水道水源保護条例などの充実、整備・改正をおこない、産業廃棄物放置などの規制につとめること。
  16. 保水能力のある「水田」は、維持・活用につとめること。
  17. 災害時におけるアスベスト問題(建物崩壊による露出・飛散)は、平時より把握し時期を失うことなく適切・機敏に対応し、健康被害がでないようにすること。水道管の石綿管はなくすこと。
以上



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