全国でも異例(内閣府)
市議会議場に「日の丸」義務化
 公明党・リベラル(民主党)なども自民党の提案に賛成

「法超す」条例可決(毎日新聞)
 全国紙が一斉に報道

 12月本会議初日の4日に、「日の丸」を市議会本会議場に掲揚する条例案が出され、日本共産党6人をのぞく賛成多数で可決されました。
 翌日には全国紙各紙が「異例の条例化」と報道。毎日新聞は署名入り記事で「日の丸掲揚については、国旗国歌法の法解釈で強制力のないことを成立時に首相が明言している。強制力のある条例が可決されるのは異例で、内閣府では『聞いたことがない』としている」と伝えました。
 提案者の自民党は日本共産党の「なぜ条例か」という質問に「法的強制力があるから」とし、討論では「幹事長会議の話し合いではいつまでたっても決着がつかないから」と突然条例提案し、多数決で押し切りました。

日本共産党は「日の丸」掲揚義務化条例に反対

 そもそも、国旗国歌法制定時も58〜66%の世論は慎重審議を求めていました。ですから首相自身が強制力がないことを明言したのです。
 教師に「日の丸」「君が代」を強制した東京都教育委員会を告発した裁判でも、9月21日東京地裁は「国旗・国歌法により、日の丸、君が代が国旗、国歌と制定された現在においても、なお国民の間で宗教的、政治的に見て日の丸、君が代が価値中立的なものと認められるまでに至っていない状況にある」と述べています。
 議場へ日の丸を掲揚することについては議場内のことであり、これまでも会派代表者会議で論議され、日本共産党とリベラルの合意が得られず見送った案件です。
 日本共産党は民主主義を踏みにじり、一つの価値観を強制することに断固反対します。

 自民党提案者は「日の丸は国旗であり…この議論をすること自体ナンセンス」と述べています。
 なぜ話し合いを拒否し、反対意見を封殺してまで「日の丸」を掲げたいのでしょうか。


「先の大戦は侵略戦争ではない」 自民が賛成討論
  歴史ゆがめる戦争肯定発言

 そもそも「日の丸」は、先の東京地裁判決でも「我が国において、日の丸、君が代は、明治時代以降、第二次世界対戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことは否定しがたい歴史的事実」と述べているように、先の大戦の旗印に使われていました。この戦争が他国の領土を侵略する「侵略戦争」だったことは歴史の事実です。だからこそ今でも、日本国内においてはもちろん、アジアの各国の人々の間には「日の丸」といえば日本の侵略と軍国主義を思い出すという、厳しい声が強く残っています。
 この歴史的事実を認めようとしない自民党提案者は「私はいわゆる侵略戦争とは思っていません。大東亜共栄圏の中でアジア民族の解放、このことを含めて日本がなしえた、やらざるを得なかった、経済封鎖から始まって、やらざるを得なかった戦争であった、そのように私は認識をしております」と賛成討論をしました。まさに議員としての見識を問わざるを得ません。

21世紀に日本がアジアの一員として
  世界で生きていけるかの大問題

 日本国憲法の前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」とうたっているように、侵略戦争への反省は戦後の世界と日本の原点です。過去の戦争から教訓を学んでこそ平和な未来が築けるのではないでしょうか。
 戦後62年を迎え、世界は新しい歩みを始めています。日本共産党は、日本を破壊への道に引きずり込む、こうした動きに強く反対し、憲法を守り、明るい日本の未来を開くために全力を尽くします。


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