2018年6月議会報告

2018/7/6
 河内長野市6月市議会が6月11日から28日までの日程で開かれました。
日本共産党議員団の質問と活動内容などをお知らせします。

モックルバスが新車両に ダイヤとルートも改善

 モックルバスがルートとダイヤを改善し6月14日から新車両に更新されました。

 旧モックルバスは小型で小回りはききましたが、座席数が少ないことや後方座席が大変乗りづらいとの声もあり、議会でも取り上げ次期更新の際には改良されるよう求めてきました。

 新モックルバスは一回り大きな中型ノンステップ車両となり、定員は36名(座席16)から60名(座席24)に増えました。また、南海バスの河内長野管内では初のオートマ車導入とのことです。

 ルートは「ラブリーホール」〜「キックス」間の重複を解消。ダイヤは「美加の台発北行き」始発の繰り上げ、「大阪南医療センター発南行き」最終の繰り下げなどの時間調整が行われました。お昼の空白の時間は縮まりますが、バスの本数が増えたわけではありません。全ての課題が解決してはいませんが一歩前進しました。

 公共交通の充実は当市の街づくりに欠かせない課題です。同時に事業者としても当然維持できる内容でなければなりません。日本共産党は南部の開発団地から上原町商業施設方面への新設ルートの検討などこれからもみなさんの声を聞きながら取り組んでいきます。


新モックルバス 3台がローテーションで走ります


大阪北部地震 市内のブロック塀の状況は

 大阪北部地震を受けブロック塀を調査していた速報結果が出ました。

 河内長野市の公共施設でブロック塀がある施設は21施設。その内、控え壁が無い・ピッチが長いなどNG判定となったブロック壁は9カ所でした。現在はカラーコーンを置くなどして対応しています。

 市としては、出来るだけ早く改修したいとのことですが、高額になる場合は補正予算を組む必要もあります。また今回は目視での緊急対応ですので鉄筋の有無までは確認できていません。今後、調査の方法も含めて検討していくとのことです。

 自治会所有の集会所などのブロック塀の改修には、集会所整備補助金が使えます。通常は事前協議制で前年度の9月までに協議をしないと補助金が使えませんが、緊急性を要する場合は随時対応が可能です。

 通学路については、目視により危険と見受けられるブロック塀等は936箇所と報告されています。対応については民間、個人所有のものになるため、方針を府と協議中とのことです。

 いずれにしても、高槻市のプールの壁倒壊は痛ましい事件でした。市民の不安も大きいものです。一日も早い安全対策を求めてまいります。


国保一本化 自民・公明・維新が大改悪

 これまで国民健康保険は各市町村が事業を行ってきました。今年度から安倍自民公明政権と維新府政により、府の事業に一本化され保険料が統一されました。

 これにより、市内の被保険者16200世帯のうち約80%が保険料が値上がりになりました。高齢者世帯での値上がりが多く、特に高齢者単身世帯での値上がりが顕著(上左表)です。また、大阪維新府政が「河内長野市では保険料が2万円値下がりする」とした実態とはかけ離れた資料をつくったため、激変緩和措置に対する府の補助金を河内長野市は受け取れず、緩和措置も行われませんでした。
 そもそも、国と府が行った国保一本化は、その理由を「制度の安定化」と述べていますが、実際には所得100万円の方の保険料が15万円〜20万円という生活を圧迫する超高額の保険料は一向に解決されていません。

 国保加入世帯の8割が所得200万円以下です。社会保険制度などと言って加入者どうしに相互扶助を押し付けても、高額な保険料は改善しません。社会保障制度として国・府・市町村が税を投入しない限り、安心して利用できる制度にはなりません。

お気軽に相談を

 値上がりになったと相談が数多く寄せられています。一般的な値上がり額は年額2〜3千円です。高い人で約1万円です。制度変更により減免手続き漏れになっているなどの場合もあります。おかしいなと思った方は、お気軽に日本共産党もしくは市保険年金課にご相談ください。
モデル世帯の年間保険料
所得100万円
 65歳以上夫婦
159,980円→161,570円
    +1590円
 65歳以上単身
142,740円→147,610円
    +4870円


ふるさと農道が一部開通します

 現在建設中のふるさと農道が7月30日(月)から一部区間が供用開始されます。

 日本共産党は、農地の無い所に山を切り開いてつくるバブル型の公共事業だと当初から反対していました。総事業費118億のうち市負担額約27億。市は今後も残り8億円の借金等を20年間で返済していかなければなりません。この先は、できるだけ維持経費を抑えるよう、植樹帯をやめるなど積極的な提案をしています。

 今回開通する部分に接続する府道加賀田片添線の交通量増加が見込まれます。
 日本共産党は府道の安全対策も今議会で提案しています。


道徳が教科化に

 今年度から道徳が小学校の正式教科となり、来年度からは中学校でも正式教科となります。これにより、これまではなかった検定教科書を使用して道徳を教え、通知表に道徳の評価欄が加わります。

 今回検定に合格した8社の中学校教科書のうち5社では、学習指導要領が求める「公共の精神」や「国を愛する態度」といった22の内容項目について生徒に自己評価させるページがあります。道徳は内心の自由に関わる問題であり、「愛国心」の度合いを自己評価させることには、不安や疑問の声があがっています。また、全体として個人よりも国家、権利より義務を重視しており、先の戦争の反省の上につくられた憲法に反する内容になっています。民主主義社会の道徳は、個人の尊厳と人権を互いに尊重することを基礎に置き、自主的な判断力を育てる中で形成されるものです。

 道徳の前身である戦前の「修身科」では、天皇と国家のために命をささげてたたかえと「臣民」精神が刷り込まれました。9条改憲を強引に進めようとする安倍政権の下で道徳が教科化された意味を改めて考える必要があるのではないでしょうか。

日本共産党市会議員団の質問より

今年の包括予算方式は再検討せよ ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 今年度始めて総括予算方式でどの部署も8%カット。定型業務しかない部署は、事業を持つ部署より無理が生じているのでは。再検討せよ。

<市の答弁>
 来年度予算編成方式は現在検討中。


<質問>
 今年から固定資産税口座振替通知書がなくなった。なぜ発行を止めたのか。固定資産税を個人事業者は控除に使うが問題はないか。

<市の答弁>
 通帳で確認できるので廃止した。申告は納税証明を発行するので問題ない。


<質問>
 公共施設の電力契約は、新電力事業者への切替は進んでいるのか。

<市の答弁>
 市役所は昨年に新電力に切替え580万円節減。現在55件で進めている。

「くろまろの郷」指定管理の
 範囲を見直し、さらに活性化努力を
 ・・・ 宮本さとし議員が質問 

<市の答弁>
 前年度との客数比較はレストランは3割近くビジターセンターは7割増、JA直売所も2割以上増やしている。指定管理制度には長所短所もあることから次回の更新時期までには適した運営方法を検討したい。

宮本議員は、 指定管理料を支払いする部門の人員を指定管理以外の部署に組み込んでいないのか。仮にそのような実態があれば問題ではないか。

<市の答弁>
 もしそのようなことがあれば指導、是正させる。

宮本議員は、事業者が市が求める指定管理の意味を理解できていない一面があるのでは。従業員が本来の仕事ができるよう強く指導するよう求めました。

中学校全員給食の実施を ・・・ だばなか大介議員が質問 

 市教委はこの4月からメンバーが替わりましたが、中学校全員給食に対する姿勢は以前と変わりません。

 だばなか議員は6月議会で、まず「食育基本法」や「学校給食法」についての基本的な理解をただしました。しかし依然として市教委は法が定める「教育としての給食」の正しい理解と法遵守の姿勢に乏しいものでした。

 だばなか議員は、国も府も学校給食は食育として全員喫食が基本だとただしましたが、市教委は家庭からの弁当も給食と同じ教材であるなどと曲解を示しました。

 また議論の中で市教委はアンケートの結果を受けて、喫食率の向上を目指すと答えました。

 日本共産党は、格差を生む選択制ではなく、市教委は小学校と同様に責任を持って給食を教育として位置づけ全員給食にするよう、引き続き求めてまいります。

放置された「空き家・空き地」の対策を ・・・ 仲川まなぶ議員が質問 

<質問>
 平成27年に施行された「空き家対策」法に基づき他の自治体では行政代執行が実施され始めている。市「きれいなまちづくり条例」からも、景観面や防災面、防犯面でも問題である。当市も期日を決めて早急に解決を。

<市の答弁>
 千代田南町内の空き家は今年の2月に「特定空き家」に指定されており、所有者に粘り強く助言・指導を継続するとともに、良好な住環境に努める上でも、今年度中に対応出来るようにしたい。


千代田南町の放置空き家


近大病院の移転問題 ・・・ 原れきし議員が質問 

<質問>
 当市が近大病院に提出した移転撤回を求める要望書の回答は。

<市の答弁>
 大阪狭山市には回答があったが本市への回答はない。


<質問>
 移転撤回を求める立場だが(昨年度近大への救急搬送826人)移転した時に備え独自の取り組みは。

<市の答弁>
 南河内二次医療圏域の9市町村が共同して整備を図っている。運営費への補助や、救急搬送における情報共有を行っている。

原議員は、2025年までに必要とされる病床数は南河内で7100床を超えている。近大移転は救急体制に影響を与えるだけで無く必要な病床が無くなると言うこと。粘り強く近大と国・府に病院の維持と病床の確保を要請すべきと訴えました。

日野土砂不法投棄現場の
   土砂待受施設を復元せよ
 ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 @事件から2年、現地の土砂待受施設は台風などの影響で崩壊。早く復元せよ。
水道局の損害賠償請求741万円はどうか。

<市の答弁>
 @府に要望している。
 A損害賠償は裁判中で府と連携し宗教法人に求める。

南部地域の道路建設状況は ・・・ 宮本さとし議員が質問 

<質問>
 @「ふるさと農道」の一部供用開始に伴い、接続する府道加賀田片添線などの安全対策を。
 A国道371号バイパス2期工事の完成時期と、国道との丁字交差点の形態は。
 B大矢船から日野方面のトンネル「うじの隧道」の照明を明るく。

<市の答弁>
 @ 国道側は7月末までに、府道は今年度の予定で流入車両への注意喚起など関係機関と協議する。
 A今夏に完成予定。国道との接続箇所は 新設のバイパスと橋本方面への旧国道が主路線となるような形状となり信号や橋本方面からの右折専用車線はつかない。
 B 今年度中にLEDに切り替える工事を行いたい。

タイムカードレコーダーの導入を ・・・ だばなか大介議員が質問 

 平成28年に日本共産党への相談から公立保育所でのサービス残業が明らかになりました。だばなか議員は市の出先機関にタイムカードレコーダー設置を求め、市は今年度中に購入したいと答えました。

陣痛タクシーの実施など子育て支援の充実を ・・・ 仲川まなぶ議員が質問 

<質問>
 大阪狭山市で実施している「陣痛タクシー補助制度(仮称)」のような施策を導入しては。

<市の答弁>
 産前支援の充実という視点で、大阪狭山市など他の自治体を研究するとともに、本市にとって必要な子育て支援策など優先順位を考えながら取り組みたい。

国民健康保険の府下統一化について
市民への周知と減免制度の拡充を
 ・・・ 原れきし議員が質問 

<質問>
国民健康保険が府下で統一され、制度が変わっている。市民への周知は。

<市の答弁>
 市広報誌3・4月号、市HPに掲載。年額まとめて口座振替で納付する方には個別に案内を郵送した。

原議員は、他市では国保加入者にハガキなどを個別に送り周知している。保険者として説明責任は果たすべき。また大きな制度変更であるので、減免申請期間を拡大し、申請月から減免決定後の額で納付できるよう制度の拡充を訴えました。

南花台公民館の雨漏修理は止まるまで ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 南花台公民館の雨漏り再修理は止まるまで行え。

<市の答弁>
 今年1月に改修したが、まだ雨漏りすることが判明。早急に修繕する。

あやたホールのマッサージ器の更新を ・・・ だばなか大介議員が質問 

 あやたホールのマッサージ器が故障したまま修理がされていません。

 だばなか議員の質問に対し市は可能な限り今年度に買い換えたいと答えました。


日本共産党 個人質問

 にわ 実 議員

  1. 日野土砂不法投棄事件で、府が昨年に施工した崩落土砂溜まりが満杯で機能を果たしていない。回復を。この事件を起こした宗教法人や業者は、土砂の最終処分や市水道局への損害賠償はどうなっているのか。
  2. 今年度予算が執行されて3ヶ月、包括8%カットの影響について。
  3. 府下26市町村にある災害見舞金制度がまだない。検討しているのか。

 宮本 さとし 議員

  1. 「くろまろの郷」は一定の賑わいを見せているが地域との連携、企画内容、従業員のモチベーションなど課題は多い。指定管理を見直し、同事業の活性化に向けさらに努力を。
  2. 「ふるさと農道」の一部供用開始に係わり、接続する府道加賀田片添線の狭隘部分の拡幅など安全対策を。 国道371号バイパス2期工事の完成は。国道との接続箇所の安全対策を。
  3. 市庁舎の窓口対応におけるプライバシー保護の観点は、より敏感に市民に寄り添った対応を。

 だばなか 大介 議員

  1. あやたホールなど福祉センターの健康器具の修理や更新はすぐに行うべき。
  2. 中学校給食を全員給食に。
    (1)学校給食は教育であり生きた教材として給食を食べることが不可欠。格差を生む選択制ではなく小学校と同様に全員給食にすべき。
    (2)中学校給食アンケートは、新中学1年と小学校高学年の児童と保護者、小学校低学年と幼稚園・保育園児の保護者にも実施を。
    (3)「誰もが安心して働き子育てできる街づくり」の視点からの中学校全員給食の必要性は。

 仲川 まなぶ 議員

  1. 放置空き家・空地対策を。
    (1) 千代田南町の放置空き家について、具体的な対策計画を作成して今年度内の早期解決を。
    (2) 市町西の放置空き地は景観面や防犯面でも問題。早急に周辺住民の不安を一掃する取組を。
  2. 「妊産婦タクシー(陣痛タクシー)補助制度」など、早急に子育て支援体制の充実を。

 原 れきし 議員

  1. 美加の台第1公園前の外周道路のケヤキが今冬バッサリと切られた。街の景観を考慮した街路樹の適切な剪定を。
  2. 市は近大病院の移転撤回を求める要望書を府と近大病院へ提出したが、その後の進捗状況は。救命救急医療の確保への市独自の取り組みはなされているのか。救急体制の分析と必要病床数の確保を。
  3. 国民健康保険の府下統一化について、市民への周知と減免制度の拡充を。

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