2017年6月議会報告

2017/7/5
 河内長野市6月市議会が6月1日から26日までの日程で開かれました。
日本共産党議員団の質問と活動内容などをお知らせします。

高齢者のおでかけ応援
バス・タクシー割引券を 日本共産党が提案

 日本共産党はこの6月議会で、移動困難者対策や高齢者のおでかけ応援、また既存公共交通の持続策や地域経済活性化のため「バス・タクシーの割引券」を発行する提案を行いました。
バス1回100円引き ・ タクシー1回300円引き  合計年間3千円まで

 日本共産党が提案した概要は「高齢者の方を対象とし、1人につき百円券×30枚を配布。バス1回乗車で1枚、タクシー1回乗車で3枚までとし、乗車時は割引券を添えて正規の運賃から割引券を差し引いて支払う。事業者は受け取った割引券の料金を市に請求する」という流れです。



元気な高齢者のおでかけ支援で、経済も活性化


 病院や買い物に行くのが困難な方を支援したり、元気な高齢者の積極的な外出を応援することは、本人の健康面においても、既存のバスやタクシー事業者の乗車率向上としても、外出先のお店の売り上げにとっても、プラスになります。福祉的意味合いにとどまらず、街の活性化事業の一つとして具体化すべきだと訴えました。
 それに対し当局は「高齢者のおでかけ支援は、街の活性化事業の一つとして有効な施策であるが、多額の税負担や、過去の優待乗車券を廃止した経緯から見て困難であると認識してきた。しかし、今回の提案は公共交通の利用促進や、新規需要の開拓、高齢者のお出かけ応援に繋がることから、財政状況を見ながら研究したい」と答弁。

市長「前向きに考えたい」

 さらに市長が挙手し「現時点での回答になるが、@高齢者の健康寿命の延伸Aバスだけでなくタクシー乗車にも還元されることB街の活性化に繋がること。こういった観点から前向きに考えたい。予算の面、具体的な運用の問題など克服すべき課題はあるが、提案のお出かけ応援は実施していきたい」との主旨で答弁しました。

子どもたちの健やかな成長のために
中学生にも豊かな全員給食を

教育長の著書「未来からの警鐘」教育管理者読本
市教育長自費出版著書
教育管理者読本「未来からの警鐘」
 市PTAから中学校も全員給食にするよう要望が出され、 国では給食を食育と位置づける法改正が行われています。それにもかかわらず市教育委員会は中学校全員給食を行おうとしません。市教委が市民の声や国の法律さえも無視する背景には、歪んだ教育行政があります。
 
私物化される教育行政

  教育指導課のホームページ内「教育長室から」に「教育管理者読本」として教育長の著書「未来からの警鐘」が掲載されています。日本共産党の質問で現教育長が自費出版したものである事が明らかになリました。市教委は、公的なものであるが、お金の出所がなかったので教育長がお金を出したと言います。これは完全な公私混同です。自費出版したものの見解を公的な教育理念とするのは教育行政の私物化と言わなければなりません。このような最低限のルールさえもわきまえられない組織に問題があります。

教育としての食育を放棄
 
 この本の中で給食の項を読むと
『保護者が子どもに、「今日、急に仕事入って、どうしても弁当つくってやれないんや!」「体に悪いけど、今日は、購買のサンドイッチで我慢して!」等々と語りかける。これが家族であろう。そして、それを察した教師が、友人が、「そんなことあったん、ちょっと私のオカズ食べ!」「よしわかった、私の弁当とパンを換えたる!」…。これが心の通った教育と言える。…この重要な教材を学校給食が奪っている』

『単に食に関する教材として学校給食を実施するために設備投資を行い経常経費を歳出する事は教育の喫緊の課題とは考えられない。…福祉施策として例えばデリバリー給食の導入の検討の余地はある。』
などと記しています。「体に悪いけど…」や「単に食に関する教材」などと教育としての食育を完全に放棄した教育理念を展開しています。愛情やコミュニケーションを育む手段は弁当だけではありません。

食育・栄養バッチリ 「小学校給食」

 河内長野市の小学校給食はとても優れたものです。6月のメニューの中には「冬瓜汁」など普段はいまの家庭でなかなか出てこない日本の伝統的な季節料理から中華やイタリアンも提供されています。ひじきや、切り干し大根、煮豆といった子どもたちがあまり好きではないメニューも充実しています。当然、味噌汁やシチューなどの汁物もあります。同時にどんなメニューであってもカロリーや栄養のバランスも良く、温かい物は温かく、冷たい物は冷たく提供されています。


 適切な栄養や健全な食生活を学ぶ。みんなで食べ、配膳や片付けを通じて社交性や協同の精神を養い人間関係を育成する。生命や自然を尊重し、食料の生産や消費などを学校給食で学んでいます。
 教育長は「うちの中学校給食は、教育にも食育にものっとっていない。福祉給食」と言い放っています。育ち盛りの中学生に必要なのは「愛情弁当論」ではなく、小学校同様の教育として食育を位置づけた全員給食ではないでしょうか。

給食指導も放棄

 また市教委は「給食の時間がクラブ活動や委員会活動を圧迫する」などとしていますが、とんでもありません。クラブ活動も、委員会活動も、給食も、どれもが教育の一環であり優劣を付けられるものではありません。文科省もバランス良く指導することとしています。

中学校全員給食を求める請願署名が始まる

 「中学校全員給食を求める会」が「小学校と同じように全員が食べる中学校給食の実施を求める請願」の署名運動を始めました。
 河内長野市教育委員会は自分たちの都合や思惑を押し通す組織から、市民の声を良く聞き、子どもたちのために行動する組織に転換すべきです。市民の力で必ず政治は変わります。日本共産党も中学校全員給食の実施に向けて、みなさんと力を合わせて全力で頑張ります。

市道 日野 加賀田線 拡幅整備工事着手へ!

 6月議会で、府道河内長野かつらぎ線からの市道日野加賀田線240mの区間の道路を改良する計画がされていることがわかりました。この道路はとても狭く、歩道もなくとても危険な状況です。車の通行量が増えていることもあり早急な改善が必要でした。
 北側の山を削り、対向2車線の車道と片側歩道の道路としてH29年度から2〜3年での完成を目指し工事が進められます。額は約2億3千万円を見込んでいます。



日本共産党市会議員団の質問より

保育料の所得激変に対する減免制度を ・・・ にわ実議員が質問 

 保育料は前年度の所得によって決まります。河内長野市の保育料の規定には、失業や転職などで急激に収入が減少した場合の減免規定がありません。国民健康保険料や市府民税には所得激変に対する減免制度があります。
 にわ議員は、河内長野市も所得激変に対応するための減免制度をつくるように6月議会で求めました。

<答弁>
 所得の激変があった場合は、市税減税基準に準じて市税減免があったものとみなして減額している

にわ議員は、市税減免制度に頼るのではなく、保育に責任を持ち保育所条例や保育料徴収規則に、所得激変による減免制度を追記するよう再度求めたのに対し、市は「検討していく」と答えました。

学校給食の改善を ・・・ だばなか大介議員が質問 

<質問>
 大阪狭山市では炊飯代として1千万円を給食費に補助している。河内長野市はこれまで行ってきた伝統食補助金を無くした上に、給食代値上げを検討している。値上げではなく、豊かな食育のために地産地消や炊飯代などの給食費補助を。

<市の答弁>
 財政状況を考えるとハードルが高い。


<質問>
 中学校全員給食をした場合のランニングコストの増は。

<市の答弁>
 6500万円程度の増になる。


<質問>
 給食に対する、河内長野市と近隣市の市負担額は。

<市の答弁>
 富田林市   約5億4400万円
 大阪狭山市 約1億9400万円
 河内長野市 約1億8500万円

自然エネルギーは的を絞って推進を ・・・ にわ実議員が質問

<質問>
 当市の自然エネルギーの活用は。

<市の答弁>
 太陽光は一般家庭が昨年末1917件、9742kw。市有施設では7カ所で屋根・土地貸し方式で増えている。
 小水力と風力は、資源量に乏しく困難。
 バイオマスは、協議会で竹・廃油・木質の3分野で進めている。


<質問>
 今後市は何に絞り込み推進するのか。

<市の答弁>
 まき・選定チップなど、木質バイオマスに力を入れたい。

ラブリーホールなどの和室に高座椅子を ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 錦渓苑とあやたホールの和室に高座椅子が設置され大変喜ばれている。ラブリーホールやキックスにも設置して下さい

<市の答弁>
 高座椅子の設置は大変好評です。ラブリーホールやキックスの和室利用者の要望を把握の上で対応したい。
高座椅子 高座椅子 高座椅子 収納状態

錦渓苑に設置されている高座椅子

公共施設のトイレの洋式化を ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 市庁舎・ラブリーホール・公民館などのトイレの洋式化の促進を。

<市の答弁>
 今年度、市庁舎1階の和式トイレを全て洋式化する。ラブリーホールの洋式化率は82.9%、公民館は50%。
 市民がよく利用される施設、洋式トイレが無い施設などから整備する。



市役所の和式トイレ


市民プールの改良を ・・・ だばなか大介議員が質問 

<質問>
 水深の浅い烏帽子型公園プールが閉鎖され、小学校低学年が遊べる市民プールが無い。寺ヶ池公園プールの半分を浅くして下さい。

<市の答弁>
 次回の大規模改修に合わせて改修する。(推定で5年以内)


公園の改修・改善を ・・・ かどの雄一議員が質問

<質問>
 松ヶ丘公園はトイレが傷み草も茂っている。千代田南地区の公園は草が茂り、遊具がなかったり、遊具が長期に使用禁止となっている。改善を。

<市の答弁>
 トイレの破損などはその都度修繕してきた。現時点での改修は財政面から困難。
 千代田南第4公園の長期使用禁止のスプリング遊具は北欧産で部品が船便で修理が遅れていたがこの度完了した。
 松ヶ丘公園の遅れていた除草は1回目が終った。千代田南地区の除草は、早急に1回目の準備をしている。どちらも年3回の除草を行う。

  

長期間使用禁止になっている遊具


よしや峠の拡幅整備を ・・・ にわ実議員が質問

<質問>
 17年前から道路拡幅せよと質問しているが境界線確定困難、大型擁壁で予算がないと同様の答弁。たとえ10年かかろうが着手すべき。

<市の答弁>
 東西道路ネットワークとして重要性は承知している。優先順位など総合的に検討する。

里道の整備を ・・・ にわ実議員が質問

<質問>
 西之山町〜千代田台町間の里道は桜並木でたいへん利用者が多い。コンクリート舗装にすべきでは。

<市の答弁>
 すぐにはならないが取り組む。
   

西之山町〜千代田台町間の里道

グリーンマンション周辺の
   天見川改修工事の進捗は ・・・ 宮本さとし議員が質問

<質問>
 河内長野グリーンマンション周辺の天見川の整備状況について。工事の進捗状況と完了時期、完了後埋め立て後の土地の移管状況や利用計画などを聞く。

<市の答弁>
 全ての工事の完了は平成32年度を目標としている。管理用通路や排水路の設置は必要となるが、それ以外の広場の設置など跡地利用はグリーンマンションや地元の方・府・市において協議を行っている。国から市への無償譲渡のためには一定の制約もあるが慎重に協議を進めていきたい。

国道371バイパスを経由して上原町商業地域へ バス路線の新設を ・・・ 宮本さとし議員が質問

<質問>
 青葉台方面から南ケ丘、大矢船、南花台、国道371バイパスを経由し、上原町商業地域を結ぶ公共交通の新設ルートを。

<市の答弁>
 ニーズに合わせた柔軟なルートの新設は必要なことと認識はしているが、既存のバス路線への影響や採算性の問題から、事業者からは困難だと回答を得ている。


日本共産党 個人質問

 宮本 さとし 議員  6月12日(月) 10時〜

  1. 元気な高齢者に対して積極的に街に出かけていただくよう後押しをするため、バス・タクシー割引券(補助券)の発行を。
  2. 河内長野グリーンマンション周辺の一級天見川旧河川整備状況について。
    (1)工事の進捗状況と完了時期や土地利用の計画の予定は。
    (2)地元住民への説明と意見の反映は積極的にすすめられているのか。

 かどの 雄一 議員   6月12日(月)  11時頃〜

  1. 錦渓苑とあやたホールの和室に高座椅子が設置され、市民のみなさんから大変喜ばれています。ラブリーホールやキックスなどの和室にも高座椅子の設置を。
  2. 市役所やラブリーホール、公民館など公共施設のトイレの洋式化を。
  3. 公園の改修について。
    (1)松ヶ丘公園のトイレは傷んでおり、草も生い茂っている。改善すべき。
    (2)千代田南第3公園は遊具もなく草だらけ。第4公園は遊具が長期に使用禁止になっている。改善すべき。

 だばなか 大介 議員  6月12日(月)  13時半頃〜

  1. 中学校給食を温かい全員給食に。
    (1)市教委は市民の声を聞き、法律を守るべき。
    (2)全員給食を行った場合のランニングコストは。近隣市と当市が負担している給食費はそれぞれいくらか。
    (3)給食の地産地消を推進するために、補助金を出すべき。補助金を削って給食費の値上げは許されない。
  2. 烏帽子型公園プールが閉鎖され、小学校低学年が遊べる水深の市民プールが無い。寺ヶ池公園プールの半分を浅くして下さい。
  3. 市民に開かれた教育委員会に。

 にわ 実 議員  6月13日(月)  10時半頃〜

  1. 国保や市・府民税には前年度所得から急激な所得変化があれば減額制度があるが、保育料にはこの制度がない。保育料にも所得の激変に対する減免制度を作るべき。
  2. よしや峠の道路の拡幅計画を。
  3. 千代田台〜西之山町の里道をコンクリート舗装に。

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