2016年1月臨時議会号

2016/2/8

今度は「フォレスト三日市」ジム・プール
 指定管理に大穴 市民の血税 被害総額4300万円以上!

市長は自らの責任で穴埋めをすべき


 1月21日から27日まで臨時市議会が開かれ、市は次のことを説明しました。

 市立健康支援センター(ウェルネス・フォレスト三日市) と市立三日市市民ホールの指定管理者である一般財団法人「健康管理・開発センター」(八尾市) が、ビル管理会社「三日市都市開発株式会社」に対して共益費の滞納を繰り返し、昨年12月末で約2000万円の滞納があった。12月28日、市からの指定管理料約2200万円(1月~3月分) を滞納金に充てると「覚書」を交わし財団口座に振り込んだところ、財団理事長が他の支払いに流用した。三日市都市開発株式会社などに対し穴埋めをするため、2800万円の税金を支出したい。

◆市はだまされた?

 市が交わした覚書の内容は、約束を守らなければ、理事長個人がそのお金を支払うと言うものです。当然、覚書を守らなかった理事長は許されるものではありません。

 しかし議会追及の中でわかったことは、
  1.  9月の時点で財団と理事長個人の不動産に抵当権が設定されていることを市は知っていた。
  2.  共益費の滞納を見ても、現金での返済能力が無いことは明らか。
  3.  共益費を支払う責任は最終的に市にある。などです。
 これらのことから、市が交わした覚書は、担保物件も支払い能力も無い相手にお金を支払わせるとしたもので、はじめから実効性の無い紙切れ同然のものでした。市は民事裁判で取り返す道をつくったなどと言っていますが、支払い能力の無い相手に裁判をやっても裁判費用が無駄になるだけです。

◆市長の政治判断の誤り

 常識的に考えても、滞納金と指定管理料を相殺、またはそれに準じる方法をとるのは当然のことです。市の顧問弁護士も「返済できるかどうかの確認を」と助言したと言います。
 市が常識をくつがえしてでも、2200万円もの指定管理料を振り込んだのは、市長の任期満了を目前に「この事業を止めたくない」とした政治判断であったことは明らかです。

◆税金での穴埋めは許さない 責任は市長にある … 日本共産党

 誤った政治判断のツケを、いとも簡単に市民の血税で穴埋めすることは断じて許されません。
 市長が今議会で提案した市税での穴埋め額は2800万円。被害総額は今わかっているだけでも4300万円以上です。
 市は「財団や理事長の財産を調査すれば、損害を回収できるかもしれない」などと何の根拠もない答弁を繰り返し、市長は「理事長が分割で払ってくれると言っている」などと、とうてい理解のできない口約束で血税の支出を求めました。

 今回の事件には政治的に重大な責任が市長にあります。1期4年で2千万円の市長退職金を担保にするなどして、穴埋めをすべきです。

◆可否同数 議長判断で可決

 27日の本会議で、2800万円の税金を支出する議案は8対8の可否同数となり、峯満寿人議長の判断により可決されました。

日本共産党 みらい創造   自民党 公明党 政新クラブ



















× × × × × × × ×
× : 血税での穴埋めに反対
○ : 血税での穴埋めに賛成


健康支援センターに掲示された張り紙◆指定管理問題のおおもと正せ

 日本共産党は、あやたホール、くろまろの郷、今回のフォレスト三日市と、次々に出てくる指定管理事件について共通する問題は何かと質問。市は考えに至っていない、今後分析すると答えました。

 日本共産党は、
  1. 問題が起っても表沙汰にしないように隠蔽し、とりつくろうことが問題を大きくしている。今も「くろまろの郷」では問題の業者の下で労働者がブラック(劣悪・無法) な働かされ方を続けているのに市は関与しない。
  2. 事業内容に対して指定管理料が安すぎる。今回事業者は年間1千万円の赤字を出していたが、市は指定管理料が適正か考えない。
  3. 指定管理に出せば、その先は「民間事業者の責任」と、そもそも市の事業であることを放棄している。

と問題点を指摘しました。共通しているのは市の責任放棄です。次々起こる指定管理事件は、市長の政治責任であると追及しました。

河内長野荘の事業者 4月から変わります

 河内長野荘は市の指定管理事業ではなく、市所有の土地建物を貸し出しているものです。
 この度、現在、運営している「グルメ杵屋」より契約解除の申し入れがあり、現在4月からの事業者を選定中です。家賃は年額1200万円です。

ブラック自治体ゆるさない!
  ~ 市民のくらし・生活 まもる自治体に ~

学校公務員・給食配膳員 事実上39人クビ切り


 昨年12月中旬、市教育委員会は突然、校務員(小・中学校)と給食配膳員(中学校) の業務を廃止し、シルバー人材センターへの委託と業務の新設をすると現非常勤嘱託員に一方的に通知しました。

雇用者責任を放棄

 第一の問題は、非常勤嘱託員の契約は1年契約ではあるが、事実上は5年間の更新が行われてきた。いわば突然の解雇通告であり労働者の誇りと生活を踏みにじる行為です。労使合意のないもとで、2月市広報に新規非常勤嘱託員募集を掲載するなど一方的なもので許されません。

※整理解雇の四要件。①人員整理の必要性②解雇回避努力義務の履行③被解雇者選定の合理性④手続きの妥当性。いずれが欠けても解雇権の乱用となり無効になります。

教育の後退

 第二に、校務員は学校教育を支え子どもの成長にとって重要な役割を担っています。時には子ども達が先生に言えないことを校務員さんに相談したり、緊急の修理などにこたえ教育環境を良好に保っています。
 シルバー人材センターに委託されることになれば、教職員が直接シルバーさんに仕事を頼むことは「偽装請負」となるため、教育委員会とシルバー人材センターを経由し仕事を頼まなければなりません。またシルバー人材センターは「生きがい事業」であり来られる方は労働者ではなく、いわば有償ボランティアです。
 校務員業務は教育委員会が直営で行うことが当然の責務です。「教育立市」を掲げながら校務員業務を投げ棄てる事は、教育の後退にほかなりません。

民主主義無視は許さない

 第三に、このような重大な問題を当事者にも、学校現場の教職員にも、議会にも一切の相談も無しに強行しました。民主主義を無視する独裁的手法であり断じて許されるものではありません。
 日本共産党は、何重にも問題を抱えている校務員・配膳員の業務廃止は撤回するよう1月13日、市教育委員会に申し入れを行いました。

まっとうな教育委員会に … 日本共産党

 河内長野市の教育委員会は昨年、育鵬社の教科書(中学・公民) を採択。右傾化した「教育大綱」を打ち出し、烏帽子形プールの突然の廃止、高校生への奨学金基金の取り崩し、そして今回のブラック企業並みの雇用責任の放棄、教育の後退、民主主義無視と「教育立市」とはほど遠いものです。
 日本共産党は、子ども達の成長や教育現場の労働者の誇りに寄り添う教育委員会に転換するよう皆さんと力を合わせて頑張ります。

「くろまろの郷」指定管理
事業者・市の責任を明確にし、従業員の雇用を守れ!


「くろまろの郷」  左がレストラン、右が奥河内ビジターセンター

 
 「くろまろの郷」のビジターセンター・レストランの指定管理者が市の備品を持ち出したり、労働者や仕入れ先に対して支払い遅延などを起こしていた問題で、1月10 日に市議会全員協議会が開かれました。
 市は「6月をめどに新しい指定管理者に入れ換える。そのために新事業者の選定を始めたい。それまでは現行体勢を維持し、市民に迷惑をかけないようにしたい」と説明しました。

 日本共産党は「今もなお問題を起こしている事業者が処分されずに、市の支払う指定管理料で営業を続けているのは問題だ」と指摘しました。

 また現場の労働者は、いまだにブラックな働かされ方を強いられています。労働者が市に対して、事業者による年金保険料未納や今後の雇用継続の不安を訴えても、「市は関係ない。雇用主(問題の事業者)に言え」「新しい指定管理者に換わっても雇用の継続は市は保障できない」などと言うだけです。
 全てを自己責任論にすり替え責任を放棄する市の姿勢は許せません。指定管理者にかかわらずブラック企業を社会から追放するのが行政の責務です。問題を表面化させないために「臭いものに蓋をする」河内長野市はブラック自治体と言わなければなりません。
 フォレスト三日市の事件も含めて、市民からは「市長選挙のために税金が垂れ流されている」との声が上がっています。


※指定管理者制度とは、市の施設の管理運営を民間事業者に代行させる制度。



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