2015年12月議会報告

2015/12/25
河内長野市12月市議会が12月1日から21日までの日程で開かれました。
日本共産党議員団の質問と活動内容などをお知らせします。

安倍政権は、2015年9月19日、国会前に詰めかける数万の人々の声や日本全国各地で沸き起こった「戦争法案廃案」「民主主義守れ」との声を無視して憲法違反の戦争法を強行採決しました。立憲主義を蹂躙する憲政史上最悪の暴挙です。また、辺野古への基地建設、原発再稼働、TPPと国民の声を無視し続けています。さらにはアベノミクスの害悪のもとで貧困と格差が広がっています。一方で国会前をはじめ、多くの国民が立ち上がり主権者として声を上げた事は、日本の歴史上はじめてのことです。今年は正念場の年、夏には参議院選挙があります。日本共産党は立憲主義と民主主義を取りもどすため、国民のみなさんと力を合わせ、他の野党の皆さんとも力を合わせ国民連合政府をつくるため頑張ります。

河内長野市では、戦争へと向かう政府に同調して、育鵬社の教科書(中学公民)が採択され、お国のために役に立つ「人材」づくりが教育大綱として掲げられています。また生活保護費横領事件で反省したにもかかわらず、昨年には元市職員によるコミュニティセンターでの着服事件や「くろまろの郷」指定管理者による支払い遅延・未払い事件が起りました。まっとうな市政とはほど遠いものです。

いま人口減少と大幅な経済成長が見込めない中で市に求められることは、都市間競争に打ち勝つ事ではなく、河内長野市で市民が働き生きていく事を応援する事です。地域の中で安定した正規雇用を確保し貧困や格差を縮小する、公共交通の充実や福祉の増進こそが、持続可能な地方自治体の在り方です。

日本共産党河内長野市会議員団は、全ての市民が人間らしく働き暮らししていくための立場に立ち、地方自治の本旨に沿った市政を進めるよう頑張ってまいります。大きなご支援をよろしくお願いします。

これが「教育立市」なのか 

戦後教育を否定する教育観
お国の役に立つ人材づくり!?

  戦後教育は軍国主義教育に走った反省の上に成り立っています。しかし、11月に市教育委員会が発表した教育大綱(案)の内容は、かつて戦争に向かった「富国強兵を目指す国家体制の中での公教育」と記載はあるものの反省は示されず、「戦後教育が個性を重視してきたことが、バラバラな社会をつくった」と、まるで戦前教育が協調性を生むかの認識に立っています。その上で、これからは国家的な意思のもと国を支える人材を育成する、などとしています。


次々に右傾化する市の教育

 7月に教育長は「(戦後教育は)『個』が強調されるあまり、社会の基本的なルールやきまり、社会性がないがしろにされてきた。郷土を愛する子どもを育てる」「自己責任が大切」などと述べ、「戦争に行く子どもを育てるのか」などの指摘の多い育鵬社の教科書(中学公民)を採択しました。
 教育とは全ての子どもの人格の形成を目的とするものであり、お国のために役立つ人材づくりを進める事とは相容れません。教育破壊を進める教育行政は許されません。


烏帽子形公園プールを廃止

 11月に市は、まともな代替え案も無しに烏帽子形公園プールを廃止すると議会に説明しました。烏帽子形公園プールは寺ヶ池公園プールより水深が浅く、特に小学校低学年以下の子どもにとっての夏の遊び場でした。子どもに寄り添わない教育行政に未来はありません。日本共産党は今議会で取り上げました。


奨学金積み立てを食いつぶす

 これまで市では奨学金のための基金(貯金)約7000万円の利子と市からの援助で、高校生に給付型の奨学金を出してきました。
 しかし市は今議会に、この基金を取り崩すための条例を提案しました。これは「これからは市は奨学金に援助しない。基金を取り崩して行え」というものです。いま大学生の2人に1人が奨学金を利用し、そのほとんどが「借金」である貸与制です。社会人への第一歩から借金を背負う大きな政治問題です。日本共産党はこの問題も取り上げました


福祉もバッサリ(怒)
減免条例を議員提案 … 日本共産党

 市は12月から障害者への上下水道料金減免を廃止しました。この制度を利用している世帯は約3200世帯。「なんとかしてほしい」の悲痛な声が届いています。
 日本共産党は、今議会にこの減免制度を条例に規定し市長の横暴を許さないための発議をしましたが、日本共産党以外の全ての議員が反対し否決されました。

日本共産党市会議員団の質問より

ズサンな指定管理

「くろまろの郷」さらに追及 ・・・ 宮本さとし議員が質問

 これまで宮本議員は「くろまろの郷」のビジターセンター・レストランの指定管理者が、度重なる仕入れ先への支払い遅延や厨房機器の持ち出しなどの問題を起こしていることを取り上げてきました。
 市は、ほぼ全容を認め、事実上の経営を行っていた「アッティーヴォ」を指定管理者から離脱させる。大手企業の「センコー」「電通」が管理監督できなかったことは問題と認識していると答えました。

 今議会で宮本議員は、「アッティーヴォ」「センコー」「電通」の3社の共同体に指定管理したが、業務分担、責任の所在、事業の透明性が曖昧であり、指定管理者がさらに第三者への丸投げをしたことも問題を大きくした。丸投げ先とは委託契約を結んでいるのかと追及しました。
 市は、実態をつかめておらず明確な答弁はありませんでした。

 宮本議員は、現場の従業員は今回の事件の被害者。「くろまろの郷」本来の目的に向け安心して生きがいを持って働けるよう解決を急ぐよう求めました。
 市は、従業員のみなさんには多大なる迷惑をかけた、大変申し訳なく思っていると謝罪し雇用は継続できるようにしたいと答えました。

烏帽子形公園プール廃止は許されない ・・・ 宮本さとし議員が質問 

<質問>
 烏帽子形公園プールを廃止すると報告があった。現状の場所で改修工事ができない根拠は。

<市の答弁>
 プール地を含めて烏帽子形城跡が平成24年1月に国の指定を受けたため、史跡内にあるプールの建替え工事は文化財保護法により文化庁長官の許可が必要となった。本年9月に現場も見ていただいたが許可は困難だと回答を得た。


<質問>
 市民の願いは低学年児童も安心して利用できるプールと南部地域にもプールが欲しいこと。安易に廃止ではなく市民の声に耳を傾け、街づくりとしての視点で方向性を検討すべきではないか。

<市の答弁>
 同規模のプールの建設には土地取得を別にして2・5億~3億円かかる。小学校プールの市民プール化や、寺ヶ池プールのかさ上げ方法も検討したが、費用対効果で見れば断念せざるを得ない。

宮本議員は、寺ヶ池プールのかさ上げはわずか1700万円で出来る。烏帽子形プールの維持経費は740万円。出来ない額ではない。様々な可能性を検討し、市民とともに考えていく姿勢が文化財保護でもスポーツ施設のあり方でも求められる。これからも市民の声を聞くべきと訴えました。
 

給付型の奨学金制度を市独自で創設を ・・・ だばなか大介議員が質問 

 OECD加盟国の中で、学費の無償化制度が無く給付型の奨学金制度も無いのは日本だけです。今、2人に1人が奨学金を利用し、卒業時には3百万~1千万円もの借金を背負う社会の中で、学生は学費や生活のためのアルバイトに追い立てられてます。
 しかし安倍政権は、大学交付金を大削減し、学費の値上げで穴埋めさせようとしています。
だばなか議員は、憲法26条で保障された教育を受ける権利が侵されているとして質問しました。

<質問>
 市民から無利子での資金出資を募って基金を創設してはどうか。利子運用で市独自の給付型大学奨学金を創設してはと提案しました。

<教育長の答弁>
 国の制度としてやるべき事。都市間競争のネタに持ってくる考えはない。


だばなか議員は、この問題は都市間競争ではない。人間として全ての子どもが教育を受けられるかだ。その視点もない教育行政に未来はない。現行のわずか数百万円の高校生のための奨学金基金さえも、食いつぶしていく、こんなひどい教育行政はない。正すべきだと訴えました。

住宅リフォーム助成制度の創設で地域活性化を ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 市内業者に発注を条件とした「住宅リフォーム助成制度」は、定住・転入促進による人口減対策や地元に仕事が廻り地域経済を確実に活性化させる。すでに、全国の3分の1以上の自治体で実施されているこの制度を創設せよ。

<市の答弁>
 地元業者支援による経済活性化を目的とした住宅リフォーム助成制度の導入は、市内業者に限定した制度では経済効果も限定的と予想され、引き続き検討したい。
 

市は市内事業者とともに商工業の活性化を ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 市内事業者訪問を続け、この間に出された課題を解決せよ。

<市の答弁>
 効果的にPRする手法やITを活用した販売手法などの確立や人材採用、工場の騒音の問題は事業所の市街流出の原因になり重要な課題と認識している。今後も企業訪問を継続し、実施できる支援策を検討する。

農林業の実態把握と営農指導を ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 市内農業の実態把握と営農指導を強化せよ。地元特産品の開発も必要ではないか。農家軒数とくろまろの郷直売所に出品している農家軒数はいくらか。

<市の答弁>
 5年ごとに行う農業振興地域整備計画を見直す中で、全農家を対象に調査をしている。特産品は惣代地域のこんにゃく、石見川地域のキャベツを考えている。農家件数は934軒、出品している農家は339軒です。


<質問>
 河内木材の利用促進をすすめ、平成28年度から導入される大阪府の森林環境税(4年間45億円)を有効活用せよ。

<市の答弁>
 南花台スマートエイジングシティ事業におけるコノミヤテラスの木質化や、おおさか河内材を使ったカヌー作りの取り組みを進めた。森林環境税では子育て施設の内装の木質化への支援が実施される。
 

電動アシストのレンタサイクルを設置し
  観光の活性化を
 ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 主要駅に電動アシスト自転車のレンタサイクル設置と奈良県飛鳥地方で実施されている超小型電気自動車を設けると共に観光コースをつくれ。

<市の答弁>
 河内長野駅前「にぎわいプラ座」で電動アシスト自転車のレンタルを実施し5台が稼働している。今後、利用状況を見ながら、有効で効率的なレンタサイクル事業を展開していきたい。超小型電気自動車については新しい回遊性、滞留性の拡大への可能性があるが、観光への活用は研究したい。

土砂埋立規制条例を後退させるな ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 河内長野市土砂埋立規制条例は「環境守れ」の住民運動のなかでつくられてきた。しかし、大阪府土砂埋立規制条例がH26年12月26日府議会で可決されH27年7月1日より施行された事に伴い、市条例の一部(施行規則)が変えられた。当市にとって重要な変更は、事前に案内があるべきでは。

<市の答弁>
 当市の特殊事情は理解しており配慮が不足していた。


<質問>
 府条例ができた事で3千㎡以上が府条例適用になるが、埋立高さや特定施設以外の土砂の安全性が保証されないなど緩和された面ができた。当市は府内でも埋立先進地であり一部でも緩和される事は許されない。緩和されない処置として府条例適用除外申請をし、市条例の一部を府条例並に改正すべき。

<市の答弁>
 府条例は土砂搬入禁止区域や広域的な公権力の行使が受けられ易くなくなるので、総合的に勘案し適用除外はしない方向。


<質問>
 今後も関係団体との話し合いは続けよ。

<市の答弁>
 続ける努力はする。

基礎くい打ちデータ不正事件に関係する建物は ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 この事件は旭化成建材だけでなく「くい打ち業界」全体に飛び火している。河内長野市内には、公共の建物や民間の建物に関係なく該当する建物はあるのかどうか。もし該当する建物があると判れば、何軒あるのか。

<市の答弁>
 当市は特定行政庁の指定がされていないので、くい設置の審査は行っていない。府に問い合わせたところ、府も建築計画概要書にくい打ちの有無の記載が無いので判らない。今のところ国土交通省からの情報では、公共建物には該当なしだが民間の建物は情報がなく確認できない。


<質問>
 市民から居住する建物が該当するのかなどの問い合わせがあればどうのように対応するのか。

<市の答弁>
 大阪府と連携しながら丁寧に対応する。 

南花台西小学校跡地利用について
  政策迷走状態ではないか
 ・・・ にわ実議員が質問 

<質問>
 高野山大学教育学部新設の断念後、再び検討委員会を立ち上げたが断念に至った経過やその後の目標変更(お金がないので以前の計画はできない)の説明が不十分ではないか。

<市の答弁>
 断念の経過を含む内容は、書面で南花台に全戸配布した。方針変更は、第5次総合計画(地域別計画案)説明会と跡地活用意見交換会で説明し今後の進め方も了承をもらった。


<質問>
 大学誘致失敗の経験を活かす議論になっているのか。

<市の答弁>
 今後の民間活用の誘致を考える時、民間の将来性や継続性を見定める時に大学誘致断念の経験を活かしたい。


<質問>
 今後も南花台を中心とした地域住民との合意形成を大切にしながら進める事が不可欠であると思うがどうか。

<市の答弁>
 南花台を中心とした地域住民との合意形成を大切にしながら進めて行きたい。

にわ議員は、目標変更の理由に①交通安全対策 ②防災拠点機能 ③南花台公民館との関連 ④生涯学習センターにするにはお金が掛かりすぎる … だが、①から③までの解決、財政が厳しい事も大学誘致失敗前と後でもなんら変わりない。しかし目標を変更するのは基本政策が迷走状態ではないのか。これは地域住民からの声だと訴えました。

福祉センターの利用促進を ・・・ だばなか大介議員が質問 

 10月に管理運営委員会より発行された情報誌「あやた」に、「以前と比べて人が少なく活気がない。入浴料金100円が要るようになったことが負担になってるのではないか? また、使用機器も古くなり改善修理が必要、節約は大切なことだが、ふるさと農道や下里の野外施設に多額の予算が使われている。高齢化が進むに連れ福祉事業に目配りが必要ではないか」という声が掲載されました。

<質問>
 入浴料を低所得者については、無料にしては。

<市の答弁>
 低額の料金設定なので、引き続き負担を求める。


<質問>
 マッサージ器や健康機器など古くなった備品が十分更新されているか、予算を措置すべき。

<市の答弁>
 必要に応じて機器更新の検討をする。


<質問>
 錦渓苑だけでなく、あやたホール・くすのかホールにも高座椅子を導入し、囲碁・将棋などに活用を。

<市の答弁>
 あやたホール・くすのかホールの施設設備が異なるので要望は様々であるが、利用者のご意見等を賜りながら検討する。

 あやたホールはH28年1月1日より市直営になりました。


浴場利用者の推移


マイナンバーについて ・・・ かどの雄一議員が質問 

<質問>
 マイナンバー制度の現状と市民の疑問や相談の対応はどうするのか。

<市の答弁>
 郵送によるマイナンバーの通知は11月22日までに4万7275世帯に郵送、そのうち12月6日現在4万4595世帯、95%の世帯に届いている。相談などについては市が対応する。
 

寺ヶ池公園外周遊歩道 舗装される

 寺ヶ池公園の外周遊歩道は、南側堤防と噴水広場間が一部未整備になっていました。
 この間繰り返し議会で質問する中で、地権者の方の協力もいただき舗装が進んできました。
 このたび、残されていた里道部分がコンクリート舗装されましたのでお知らせします。
 


日本共産党 個人質問

 かどの 雄一 議員  12月10日(木) 13時30分~

  1. 商・工・農・林業を振興するための支援策を強化せよ。
    (1)他市から移り住んでくる方達も利用できる、住宅リフォーム助成制度を創設し、地元業者支援策を進めよ。
    (2)地元商工業者訪問を続けるとともに、市内農業の実態を把握せよ。
    (3)河内木材の利用促進など林業施策を進めよ。
  2. 主要駅に電動アシスト自転車のレンタサイクルを設け、観光コースをつくれ。

 にわ 実 議員  12月10日(木) 14時50分~

  1. 府が新たに作った土砂埋立規制条例との関係で、市条例による規制を緩和した事の説明がないのはなぜか。市条例が緩和されないよう除外申請すべき。
  2. 南花台西小学校跡地利用について、コミュニティセンター断念に至った経過や目標変更の説明が不十分ではないか。大学誘致失敗の経験を活かす議論になっているか。
  3. くい打ちデータ不正事件は「くい打ち業界」全体に飛び火している。市内に、公共・民間ともに該当する建物はあるのか。もしあれば、市としての対処は。

 宮本 さとし 議員  12月11日(金) 11時~

  1. 「くろまろの郷」事件に関わった指定管理者内の財務状況を早急に明らかにせよ。今回の一連の問題は指定管理者全体の責任。市の責任も含め、どうとらえているのか。今回の事件の被害者でもある従業員の不安を取り除き、「くろまろの郷」の本来の目的に向かって仕事に邁進できるよう、解決に向け急げ。
  2. 烏帽子形公園プール廃止について、現状の場所における改修工事ができない根拠を明らかにせよ。市民の願いは低学年児童も安心して利用できるプール。市民の声に耳を傾け街づくりとしての発想で方向性を検討すべき。

 だばなか 大介 議員  12月11日(金) 14時50分~

  1. 福祉センターの利用促進を。
    (1)利用者の推移は。
    (2)入浴料を低所得者は無料に。
    (3)老朽化した備品の更新を。
  2. 給付型の奨学金制度の創設を。
    (1)奨学金をめぐる実態を聞く。
    (2)無利子の市債を発行し、財源を積み立ててはどうか。
    (3)現在の奨学金基金の取り崩しは許されない。
  3. 国の交付金制度の活用を。
    (1)U・I・Jターンで市内就職者に対して奨学金返済補助を。
    (2)保育所の増設・定員増を。
    (3)正社員化に向け、地元雇用奨励金や正職員への雇い替え奨励金制度の創設を。



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