2011年3月議会

2011/5/31
 河内長野市3月市議会が3月2日から29日までの日程で開かれました。
日本共産党議員団の質問と活動内容などをお知らせします。


開発優先・痛み押し付けの市政から
  くらし応援・地域経済を守る市政に転換を

 今議会には新年度予算として一般会計349億円(前年度比0.5%増)、特別会計約296億円(同3.2%増)で、総額約645億円(同1.7%増)が提案されました。
 これまで日本共産党が提案してきた「新婚家庭の家賃補助・持家取得補助」等が実現しました。
 しかし、バブル型の大型開発「ふるさと農道事業」や下水道料金の値上げなど、市民の利益に反する予算が盛り込まれました。
 これに対し日本共産党市議団は下記の予算修正案を提案しましたが、日本共産党以外の反対で否決されました。

21世紀型の街づくりを提案 【日本共産党】

人口減少時代
 大型道路建設や大型開発などを行えば企業がやってきて街が栄え庶民も潤うといった「開発型」のやり方は今や通用せず、社会問題は、縮小や撤退、空洞化に移ってきています。当市でも西友撤退問題や民間バス路線の減で買い物弱者が生まれています。

民間まかせの街づくり・開発型を繰り返すな
  河内長野市は高度成長の中、公共交通や保育所・幼稚園・病院などを安上がりな民間に任せ、身の丈以上のインフラ整備・開発を進めてきました。いま、その借金返済と民営化を進めてきたツケが回って来ています。
 それにもかかわらず、総額108億円にのぼる「ふるさと農道」事業はやめようとせず、保育所・幼稚園の民営化を進めるといったことは、財政難や街づくりの根本原因に反省のない、時代に逆行した施策です。これらを棚に上げ、下水道料金の値上げなど市民に痛みを押し付けることは許されません。

地域で新たな雇用の創出を
  農林・中小業者を支援し、地産地消で地域の雇用を守る。さらに介護や保育所など、不足している福祉の充実を通して地域に新たな雇用を生み出す、いのち・くらし応援の街づくりこそが必要です。

市民は苦しく・市財政は好転
 市民のくらしは苦しくなるばかりです。2003年度比で生活保護世帯は1.5倍、小学生の就学援助率は1.2倍になっています。一方で、市が「財政健全化プログラム」で予想した値よりも、収支・貯金・借金どれをみても好転しています。
 日本共産党は、市民のくらしを応援し、市民の活力をあげることこそが、いま求められていると、市政の転換を求めました。

日本共産党の主張が予算提案
 ◎新婚世帯家賃補助 最大43.2万円(3年間合計)
 ◎新婚世帯持家取得補助 最大63万円(3年間合計)

 若い世帯にぜひ河内長野市で暮らしてほしい、「働き盛りの人口増」で市税収入増をなど、日本共産党が訴えてきた活気ある街づくり施策の一つが提案されました。

 ◎中学校給食の試行実施

 現計画では選択注文方式の弁当給食です。市内1校で試行が始まります。
 日本共産党は府の補助も具体化されており、食育の観点から、一斉給食・自校方式をめざすよう提案しています。

 ◎子ども医療費助成の拡充

 入院への助成が小学校6年生から中学校3年生まで延長されます。
 日本共産党は引き続き通院についても、現在の就学前までの助成から、中学校卒業まで助成できるようがんばります。

財政は改善されている
 第2次財政健全化プログラムは見直し
 子ども医療費 中学校給食 住宅リフォーム助成制度など実現し
  福祉を充実させ 活気を取り戻そう
 ・・・ にわ実議員が代表質問

<質問>
 市役所の仕事は、市民の暮らしを応援し福祉を向上させること。市民生活がたいへんな中でさらに閉塞感を広げ、生きる希望を失う第2次財政健全化プログラムは見直し、子どもの医療費の更なる充実、食育など考慮した中学校給食の早期実現、中小零細企業と市民生活向上につながる住宅リフォーム助成制度の創設せよ。
 若い世代の人口を増やし市に活気を取り戻し、後退し続けた福祉を充実させ市民に展望を示すべきではないか。

<市の答弁>
 改善されているが、引き続き財政プログラムはすすめる。施策は選択し集中します。


<質問>
 国民健康保険について。
 1.値上げに繋がる国保の広域化には反対すべきでは。
 2.滞納世帯への差し押さえは、当面の学費や学資保険まで差し押さえ対象にするな。

<市の答弁>
 広域化の詳細は不明、意見と要望はします。学資保険について慎重にします。


<質問>
 子どもの医療費助成について。新年度同時に通院助成を思いきって中学校卒業まですべきでは。

<市の答弁>
 国府に要望しているが困難。予算がない。


<質問>
 中学校給食について。今秋から試験的に実施される中学校給食。弁当方式にこだわらず、あらゆる方式を検討すべきでは。

<市の答弁>
 検討委員会の結果通り弁当方式でやりたい。


<質問>
 保育所について。2園しか残っていない公立保育所は、市の保育水準を上げる役割を担っている。2園を残し、待機児をなくすなど子育て世代を応援せよ。

<市の答弁>
 検討しています。

<質問>
 住宅リフォーム助成制度について。閉塞感漂う今こそ国の「交付金」などを活用し本気で検討すべきでは。

<市の答弁>
 慎重にならざるを得ない。


<質問>
 「ふるさと農道」について。全国的な人口減少時代、今や時代遅れのムダな道路。縮小し、見直していくか検討せよ。

<市の答弁>
 早期に完成させる方針です。

教育立市宣言に相反する安全管理員の後退
  子どもの命と一千万円どちらが大事か
 ・・・ かどの雄一議員が質問

<質問>
 新年度から学校安全管理員の配置時間が短縮される。「教育立市にふさわしい豊かな教育環境の充実を図る」と言うことに相反する。子どもの命を守る学校安全管理員は今まで通り実施せよ。近隣市では引き続き実施している。そのための予算が14校で約一千万円、子どもの命よりお金が大事なのか。

<市の答弁>
 安全管理員は登下校時にのみに配置する。職員室から遠隔で操作できる校門の電気錠整備を進めている。

中学校給食は選択制でなく一斉に ・・・ たけとみ唱子議員が質問

<質問>
 今秋実施の中学校給食は、給食センターで作られた弁当、購買部のパン、家からのお弁当の「選択方式」である。これでは全中学生が食育の対象にならず、栄養バランスの良い昼食を食べることにはならないのではないか。

<市の答弁>
 食は生きるための基本であり栄養の偏りや食生活の乱れを解決するためにも食育を行う。家庭からのお弁当を推奨する基本的な考えを踏襲していく。昼食の選択肢を増やすことで望ましい食習慣や食を選択する力を身につけさせたい。


たけとみ議員は … 全中学校で自校方式の給食を実施している和泉市は食育を「中学校では自分自身で健康管理のできる生徒の育成をめざしている。自分の生活を自分で築く、食生活の自立をはかる大切な期間」としておさえ、自校方式は、「給食は、食の出会いの場」「友達や先生、調理員との人間関係の中で苦手なものでも食べれるようになる。それがみんなで同じ物ものを食べる給食の良さ」。生徒は「給食は温かくておいしい」と、現場の声を紹介し、給食を教育というなら、自校方式にし食育にお金をかけるべきと主張しました。


また予算委員会で、だばなか議員は … 選択給食には就学援助はあるのか、貧困やネグレクト等で昼食を食べられない子どもが放置されるのは許されないと追及。

市は …「今は一部の学校での試行段階なので他校との公平性も考えて…」などとまともな答弁が出来ませんでした。

和泉市の中学校給食を視察する たけとみ議員

保育運動の力で
 強引な民営化推進を転換
 ・・・ だばなか大介議員が質問

 強引な保育所の民営化に対し保護者が立ち上がり、昨年6月には民営化の中止を求める請願1万2100筆余を議会に提出するなどの運動を進めてきました。

運動が高まるにつれ、市の対応は硬化。昨年秋には保護者会との懇談まで拒否するに至りました。運動と連帯した日本共産党の議会論戦もあり、2月には市との懇談会を地域住民も参加で開かせ、保護者側は「公立保育所の存続を求める嘆願書」を在籍児の77%が提出しました。

3月議会、高まりつづける住民運動に、ついに市は方針転換。だばなか議員の質問に対し「強引に進めるのではなく、保護者や住民に十分理解納得して頂くまで説明責任を果たす」と民営化の事実上無期限延期を表明。また「配慮が必要な子どもの保育の先導。現場を通じて保育行政を行う情報拠点」と公立保育所の行政機関としての役割を認めました。

だばなか議員は、子どもの健やかな成長と市の保育水準を守ろうとするみなさんと力を合わせ、民営化完全ストップにむけ全力でがんばります。

災害に強い街づくりを!
 放置されている遊水池を維持管理せよ
 ・・・ 宮本さとし議員が質問

<質問>
 想定以上の地震や雨量が現実的になっている中、大型団地の開発時に整備された遊水池は防災機能を維持されているのか。大きく成長した木が生い茂っているところが見られる。たとえば美加の台の遊水池はどうか。
 計画性を持って期間を空けず維持管理することが、コストの面でも安全の面から見ても必要ではないか。

<市の答弁>
 市内には16団地27箇所の遊水池がある。住民の要望から草刈りなどを実施しているところはあるが樹木などが生い茂り浚渫が必要としているが財政面でその処理が大きな課題となっている。
 美加の台においても樹木の伐採除去など3月から着手する。
 遊水池は防災上重要な施設。優先順位を決めて計画的な維持管理に努めたい。 
 
樹木が生い茂る遊水池(3月)
 →  
樹木が伐採されました(4月)

2月の大雪で混乱した交通網 教訓とし対策を ・・・ 宮本さとし議員が質問

<質問>
 2月14日に降った雪は市域の交通網に混乱をもたらし、「帰宅難民」と言われる事態を生んだ。これだけの情報化時代にあって、ほしいところにほしい情報がなかなか行き渡らないことがわかった。市民の方からは「これぐらいの雪でこんなに混乱するのだったら、大きな災害時にはどうなるのか、とても不安だ」と言われた。情報伝達など教訓とすることがあるのではないか。

<市の答弁>
 南海バスなど事業者との連絡を密にするなど状況に応じた対応を検討しておく必要を認識した。徒歩帰宅支援のあり方や協力支援体制などを検討課題として今後の防災対策の向上を図りたい。

市民との協働で 猫を巡るトラブルのない街づくりを ・・・ かどの雄一議員が質問

<質問>
 「てらねこ会」のみなさんが寺ヶ池公園の捨て猫を地域猫として支援する活動をされている。この人たちと協働して捨て猫を巡るトラブルのないまちづくりを進めよ。

<市の答弁>
 「てらねこ会」のみなさんと市と公園管理者で協議を進めていきたい。


<質問>
 猫を捨てないようにすることが何よりも大事。この対策は。

<市の答弁>
 毎年、市広報紙で捨て猫をしないよう、捨てれば罰せられる場合もあることを知らせている。


<質問>
 猫は多産です。避妊・去勢手術が受けやすいようにすべきです。以前実施していた不妊手術助成金制度を復活せよ。

<市の答弁>
 当市の獣医師と情報交換しながら対策を研究していきたい。

新町橋北側の歩道設置 ・・・ 宮本さとし議員が質問

<質問>
 国道371号新町橋北側の歩道整備計画について問う。


<市の答弁>
 3月末までに測量設計をすませ23年度の整備に向けてすすめられている。府に対して早期着手するよう要望していく。

道路整備について ・・・ だばなか大介議員が質問

外環上原町交差点から緑ヶ丘までの道の開通をみこし、交通量が増えることが予想される道路の整備を質問しました。


緑ヶ丘〜下里
<質問>
 下里グラウンドへ向かう道として、緑ヶ丘住宅地内と個人所有地が抜ける道となっている。これとは別に、新しい東西バイパスの建設を。

<市の答弁>
 具体案はないが別ルートは必要と考えている。堺への道路整備と一体に考える。


小山田口交差点
<質問>
 小山田に向かう小山田口交差点付近は、歩行者の通行が困難。通学路としても安全対策を。

<市の答弁>
 歩道だけを、住宅地をはさんで並行している里道を整備して移すのが適当。調整がつき次第取り組む。

府道加賀田片添線の安全対策について ・・・ たけとみ唱子議員が質問

<質問>
 府道加賀田片添線は、急なカーブや交通量が多く、特に加賀田小学校校門付近は登下校する子どもたちや歩行者にはとても危険です。早急に安全対策をすすめるよう、大阪府に求るよう訴えました。

<市の答弁>
 地元の皆様とともにカーブミラーの設置、カーブ区間の注意喚起の路面標示などを引き続き府に要望していく。


<質問>
 市道・三日市一号線は三日市小学校への通学路にもなっているが道路幅が狭く、危険である。拡幅工事完了のメドと、工事完了後の歩道橋はどうなるのか。

<市の答弁>
 未取得地の関係地権者に現在交渉中。用地取得後2年程度を目処に完了したいと考えている。

通学路の整備をすすめよ! ・・・ かどの雄一議員が質問

<質問>
 変更された松ヶ丘・楠町地域の楠小学校への通学路にグリーンベルトを設置せよ。

<市の答弁>
 2011年3月末までに、約400メートル間グリーンベルトを施設する予定です。

グリーンベルトが設置されました
 <質問>
 千代田西友西の交差点から楠小学校間の水路など安全対策をせよ。

<市の答弁>
 水路の安全対策については、自治会と水利組合との協議が整えば2011年度中に設計、その後、実施を考えている

危険な水路 

念願のエレベーター完成!
 近鉄・南海 河内長野駅に

 数十年来、市民のみなさんから要望されていました、南海・近鉄両河内長野駅のエレベーターが4月に完成しました。
障がい者、高齢者のみなさん是非ご利用下さい。

 
南海
 
近鉄


今議会に提出された意見書(案)

 今議会には市民団体などから左記などの意見書が提出されました。

◎包括的経済連携等に関する(TPPに断固反対する)意見書
◎2011年度年金引き下げの撤回と無年金・低年金に緊急措置を求める意見書
◎所得税法56条の廃止を求める意見書

日本共産党 代表質問

 にわ 実 議員  3月14日(月) 4時頃〜

  1. 財政問題について。自治体の本旨は、市民の暮らしを応援し福祉を向上させること。
    市民生活が大変な中、第2次財政健全化プログラムは見直し、住宅リフォーム助成制度の創設で、若い世代の人口を増やし、後退し続けた福祉を充実させ市民に展望を示すべき。
  2. 国民健康保険について。
    (1)保険料値上げになる広域化には反対すべき。
    (2)高くて払えない保険料を下げよ。
    (3)滞納世帯への差し押さえは、無慈悲なやり方は止めよ。
  3. 子どもの医療費助成について。通院助成を思いきって中学校卒業まで実施すべき。
  4. 中学校給食問題について。
    大阪府の実施率は、7・7%で全国最低。今秋から試験的に実施される弁当方式(選択制・給食センター方式)に固執せずあらゆる方式を検討せよ。
  5. 保育所問題について。
    公立保育所を存続し、待機児をなくし子育て世代を応援せよ。
  6. 住宅リフォーム助成制度について。
    市の施策で大きく欠落しているのが市内の中小零細企業応援の経済政策。
    住宅リフォーム助成制度を数年間の社会実験のつもりで本気で検討すべきでは。
  7. 「ふるさと農道」問題について。
    人口減少時代。自治体の本来の仕事は、住民の福祉の向上、市民ひとりひとりの生活の向上です。そう言う時代にふるさと農道は今や時代遅れのムダな開発型の道路です。府とどう縮小し、見直していくのか真剣に協議する決断を市長に求める。

日本共産党 一般質問

 宮本 さとし 議員  3月15日(火) 10時〜

  1. 災害に強いまちづくりへ
    (1)遊水池の管理について
    (2)2月14日の雪は市域の交通網に混乱をもたらした。
      突然の被災に対する対応として個々の準備も含め教訓とすることがあるのではないか。
  2. 国道371号新町橋北側の歩道整備計画について問う。

 かどの 雄一 議員  3月15日(火) 11時頃〜

  1. 子どもの命を守る学校安全管理員は今まで通り実施せよ。
  2. 楠小学校への通学路を改善せよ。
  3. 市民と協働してこそ、家なき猫をなくし、猫を巡るトラブルのない街づくりが出来るのではないか。

 だばなか大介 議員  3月15日(火) 2時半頃〜

  1. 緑ヶ丘から下里グラウンドへの新しい東西バイパスの建設を。
  2. 小山田に向かう小山田口交差点付近の歩道の安全対策を。
  3. 市の責任を投げ捨てる公立保育所民営化を進めるのではなく、国の制度を財源に保育所を増設・新設し、子育てしやすい前向きな街づくりを。

 たけとみ唱子 議員  3月15日(火) 4時半頃〜

  1. 府道加賀田片添線の安全対策は、地元住民の声を聞き、大阪府へ働きかけよ。
  2. 市道三日市1号線の安全対策について、拡幅工事完了のめどはいつか。工事終了後、歩道橋をどうするのか。
  3. 中学校給食について。
    府の中学校給食補助金246億円の方針を受け、当市でも全中学校で自校方式で実施すべきではないか。

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