2009/07/28
合併協議会 再び空転
住民無視の矛盾が露呈
千早赤阪村との合併問題が大きく揺れ動いています。昨年12月に今まで府は市にいっさいの負担をかけないと約束していた物を「上限20億円の中で進めてほしい」との知事の発言を機に当初の約束の見通しが立たなくなり、合併協議会が空転していました。
突然の合併推進
合併新法が適応される期限、来年3月までに合併しようとすれば今度の9月議会には提案されなければ間に合いません。「(合併でまとまるのは)時間的にも非常に厳しい」というのがこの間の市庁内、また議会の中においても大方の見方でした。
ところが押し迫ったこの時期(6月22日)に、府知事が20億円の支援を30億円に積み上げるなど一部修正した条件を提示しました。それに河内長野市長が「一歩も二歩も前進」と受け入れ、合併に向け推進を表明しました。
不明瞭な計画素案
事務局はその市長方針に基づき「新市基本計画素案」を全員協議会で示しました。ところが市長が一歩も二歩も前進したという府からの条件は、これまでの約束とは大きく後退した物であるばかりか、新市基本計画素案も不明瞭な点が多く、新市の街づくりに新しいビジョンは見えません。
また水道事業だけでも、合併すれば新たに41億円以上の経費がかかることも判明。副市長の「当初ほど合併効果が見込まれない」などの発言に、保守系議員からも「財政収支見通しが甘い」「合併の夢が見えない」など、意見が相次ぎました。
矛盾噴出す
7月23日に行われた第11回合併協議会は、合併協議会を開く3つの条件(1、財政負担をかけない。2、村と市を結ぶアクセスの整備。3、市と堺を結ぶ道路の整備。)そのものに意味を無くしているとの発言が相次ぎ、千早赤阪村の村議からは「村の中で確認されていない内容が多い」「(当局から)この場で発言しないようにしてほしいと言われて来ている」など爆弾発言も飛び出しました。
結局、残されている協議項目には入ることなく流会。再び空転する事態になりました。
住民から離れたところで進められる合併には様々な矛盾が噴出してきます。そもそも村民や市民にとって夢が無く、サービスの低下や負担の上乗せになる合併は意味がありません。メリット、デメリットを住民に開示し,住民の意思を尊重することが必要不可欠ではないでしょうか。