市議会報告 合併問題特集号 NO.6

2009/03/05


「究極の構造改革」…「道州制」への動きの中で
千早赤阪村の棚田□ 村をなくして活性化?

 『千早赤阪村は、大阪府の南東部に位置し、金剛・葛城山脈の主峰金剛山(標高1,125m)〈頂上は奈良県になります!〉や「太平記」に登場する武将楠木正成生誕の地として有名な、自然と歴史の香り高い、大阪府唯一の村です。本村には、時代が求める有形無形の資源が今なお豊かに残っており、これらの貴重な資源を生かし、村を更に活性化したいと思っています。』と、千早赤阪村 松本 昌親村長 がホームページで村を紹介しています。・・・本当に資源を残し活性化したいと思っているんでしょうか。河内長野市との合併を推し進める村長ですが、もし合併することになればますますこの地域の人口は減少し、豊かな資源や歴史文化も衰退するのではないでしょうか。


□ 「道州制」・「合併」そして「究極の行革」
 
 金融危機と深刻な不況のもとで、小泉「構造改革」路線の破たんはいまや保守層からも公然と批判されているのが実状です。 ところが、こうした情勢にまったく逆行して、財界と自民・公明の政府は、「究極の構造改革」と位置づける「道州制導入」の策動をすすめています。
 日本経団連は、〇七年三月に発表した「道州制の導入に向けた第一次提言―究極の構造改革を目指して」に続き、昨年十一月に「第二次提言」をまとめました。各地で道州制導入のシンポジウムなども開いています。御手洗会長は先般この問題で大阪府橋本知事と会談。積極的にすすめることで意気投合しています。


□ 地方自治破壊
 
 日本経団連が「究極の構造改革」とたたえる道州制は、単に「都道府県の再編」ではありません。道州制のねらいは、「官の役割をゼロベースで見直し」、「小さな政府、民主導の経済社会」めざして、「規制改革の推進や官業の民間開放…を徹底する」ことです。
 道州制は、国の仕事を外交・軍事・司法などにしぼり、社会保障や福祉などの行政サービスは地方に押しつけ、自立自助と自己責任の名で住民負担に切り替え、自治体を財界・大企業のための開発政策や産業政策の道具に変えてしまおうというものです。橋下大阪府知事のWTC移転問題などはその代表的な動きでしょう。
 日本経団連の「提言」では、道州制導入による「行財政改革」で五兆八千四百八十三億円削減できるという試算をしています。早い話は地域住民に密着した福祉、医療、教育、農業、地場産業、環境などのサービスをそれだけ切り捨てられると言うことです。


□ 「住民が主人公」の街づくりへ
 
 地方自治体の本来の役割は、「住民の福祉と暮らしを守る」ことです。住民の多様な要求にきめ細かくこたえ、住民に身近で、住民が直接参加して意思決定できる制度でこそ、地方自治は成り立ちます。
 橋下知事が昨年末河内長野に来られ、千早赤阪村との合併協議会に出席。その中で、「大阪府は十年後にはなくしたい」と道州制の導入を前提とする話がありました。この合併は財界にとっての「究極の行革」をめざしているのは明らかです。
 この間、河内長野市幹部も合併は「究極の行革」と言い切っています。今の千早赤坂村との合併がこういう流れの中で進んでいます。
 しかし、村にとっても市にとっても今必要なのは住民の暮らしをまもること。そして「住民が主人公」のまちづくりをすすめることではないでしょうか。

○平成20年 12月末現在 千早赤阪村概要○ 

・ 総人口  6,462 人 (河内長野市 約11万6千500人)

・ 世帯数  2,356 世帯

・ 面 積  37.38 ku(農地 11.05 % 山林・原野82.37%)
       河内長野の約三分の一の広さ


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