2003年6月議会

 河内長野市6月市議会が6月2日から27日までの日程で開かれました。
日本共産党市議団の質問要旨と活動内容などをお知らせします。

10月から乳幼児医療費が就学前まで無料に

国民健康保険料最高額値上げ
  49万円が50万円に
 日本共産党議員団はこれまで市民のみなさんとともに請願や要望書提出するなど長年の住民運動が実り、乳幼児医療費の無料制度を小学校入学前まで拡大にすることについて一昨年、「平成16年から実施したい」との市の答弁がありました。
 しかし、「一日も早い実施を」と、みなさんのねばり強い運動で、乳幼児医療費無料化が、今年の10月から、小学校に入学前するまでに拡大されました。
 府下の市では初めて所得制限などの条件なしで就学前まで実施されます。

 また、長引く不況で住民のくらしが大変な中、河内長野市はさらに住民負担を強いる国民健康保険料(49万から50万に)・介護保険料(2号被保険者…40歳から65歳未満が7万から8万に)の限度額の値上げなどが決まりました。
 日本共産党議員団は、このような住民負担を強いる値上げは反対しましたが賛成多数で可決されました。これからも住民のみなさんとともに減免制度の拡充など住民負担の軽減に向けがんばります。


日野・滝畑コミュニティバス
     ようやく運行変更!
7月1日より全ての停留所で乗り降り可能に

 「日野・滝畑コミュニティバスを全バス停に止め、乗り降りできるように。また、高向公民館前にバス停をつくってほしい」との住民の願いが届けられていました。これで通常の路線バスと同じように各種割り引きやバスカードも使用できるようになりました。

〈国立病院〉−〈市役所〉−〈美加の台〉
 モックルコミュニティバスも
  新町橋バス停の新設

 7月1日より新町橋バス停(美加の台駅・加賀田口間)にも止まるようになりました。道路事情でバス停は既存の新町橋バス停です。三日市町の駅前開発など今後の環境の変化でルートは柔軟に対応するよう求めています。
 これからも、さらに利用しやすい交通システムとして、みなさんのご意見を聞いてがんばります。


新正・副議長や各委員会の役員決まる

 6月定例市議会で議長、副議長をはじめとする各委員会の役員選挙がおこなわれました。
 議長には、木ノ本寛議員(楠水会)、副議長には大北国栄議員(公明)、そして監査委員には日本共産党宮本さとし議員が選出されました。
 各委員会の役員は下記の通りです。
委員会名 委員長 副委員長
議会運営委員会 日本共産党 南あきら 増田正博
総務常任委員会 田中喜佳 日本共産党 吉田礼子
都市環境・経済 常任委員会 日本共産党 角野雄一 國領博美
福祉教育 常任委員会 柳田吉範 日本共産党 にわ 実

★議会運営委員会は南あきら議員が昨年に引き続き委員長です。



建設中に破綻したマンション
セザール希望ヶ丘 今後どうなる!?  
 … だばなか議員が質問

 マンション建設中に会社が破綻した「セザール貴望ヶ丘」の建物は今後どうなるのか。高いクレーンが倒れないか。景観問題など住民は心配している。
<市の答弁>
 株式会社セザールが破綻し、本年3月28日、東京地裁に民事再生法に基づく再生手続きをしている。秋頃、裁判所の認可が出る予定で工事の再開が可能である。
 工事現場の安全管理については、施工業者が定期的に現場を見回り警備体制をとっている。再生方針の目途がついたら地元自治会や行政に説明するよう指導している。

税金のムダ遣い許せない!
 1200万円を越える中抜き
 「丸投げ工事」の疑惑を追及
  … かどの議員が質問

 昨年6月に(株)阪野組が請け負った公共下水道工事が(有)太伸に建設業法第 条で禁止されている一括下請負(丸投げ)をされた疑いがある。
 さらにこの工事は、約3000万円で落札されたが、実際に工事をした孫請け業者は1800万円で請け負い、完了している。これでは1200万円も中抜きされていたことになる。
 設計金額、予定価格が高すぎ、税金のムダづかいではないか。これらを証明する業者間で取り交わされた工事注文書と領収書がある。この事実をどう説明するのか。また、業者選定が正しく機能していないのではないか。
 これに対し市当局は、疑惑を否定しましたが、今後、事実関係を調査していくことを約束しました。
  日本共産党は、一括丸投げ禁止(建設業法)に違反する業者を指定業者として入札に参加させ発注している事が大問題であること、また、実際の工事費より高く設定されている入札予定価格を引き下げ経費を節減すること事を主張しました。今後も引き続き調査し、質問を続けていきます。

市立三日市幼稚園の充実に向けて3才児保育を
 私立幼稚園3才児への補助金支給を
  … 南議員が質問

 市立三日市幼稚園は昭和29年の町村合併で、三日市村立から市立幼稚園になった歴史がある。これまで、幼稚園の先生、PTA、地域の人たちの努力で4・5才児の2年保育が実現した。さらに充実に向けた取り組みとして3才児保育をすすめよ。
 また、私立幼稚園3才児への補助金支給で少子化対策を図れ。
<市の答弁>
 私立幼稚園は3才児保育を希望する保護者には3ヶ年教育がされている。私学は3才児の47%を受け入れているが3百人程度は各家庭で見ている。3才児教育への補助は保護者のニーズがあればかなえていきたい。
 公立での3才児保育の拡充は今後検討していく。

小・中学校の教室にクーラーや
 せめて扇風機の設置を
  … 吉田議員が質問

 吉田礼子議員は、学校の普通教室は風が通らず暑いときは 度をゆうに超えている。実態を調査し、他市にならいクーラーやせめて扇風機を設置せよと質問しました。
 これに対し市当局は、学校と協議して実態調査すると答えました。

 議会に先立って視察してきた寝屋川市では、住民の皆さんの運動が実り各普通教室に扇風機が設置されています。河内長野市でも実態調査に基づいて、クーラーやせめて扇風機が設置されるよう、今後もみなさんとともにがんばります。

有事法制は市民の基本的人権や財産権を侵すと追及  … にわ議員が質問
    「決断するときはする」あいまいな答弁・・・・市長

 にわ議員は一般質問で、有事法制について以下のように質問しました。
 市民や自治体職員の基本的人権をも踏みにじる有事法制については、市民の不安などを考慮し反対すべきであり、特に「武力攻撃予測事態から自衛隊の陣地構築のため、国民の私有地を一片の公用令書で強制使用できる」としている。国民の土地が、アメリカ軍のために強制的に取り上げられる危険性がある。市長の見解を聞く。
 市は「詳しくは国民保護法が決めること」と政府と同様にまともな答えは得られませんでした。
 また市民の命と財産を守る視点から、東京・国立市長の上原公子氏は「有事法制は、市民の基本的人権をも脅かすもの、国はまともな説明もしない。もしもの時、市長として憲法にも反する命令を出せるか。市長の座を辞することも考える」としているが市長はどう考えるか、と質問しました。市長は「決断するときには、決断する」と答弁。どちらにもとれる曖昧なものでした。

少人数クラス編成(30人・35人学級)
       実現に向けて  
… 宮本議員が質問

 宮本議員は、河内長野市では今年度も小学校1・2年生でも1クラス35人以上のクラスが半分以上あることを指摘。少人数編成に向けてせめて1・2年から実施できるよう国・府に要請し、市としても取り組むよう求めました。
 それに対し、当局は40人以下の学級は都道府県が全額負担するならばすすめて良いことになっているが、大阪府の場合、厳しい財政状況であり、現状の教員定数枠の条件内で児童、生徒数の多い学級を分割できる制度となっている。本市のように学校規模、学年規模が均一でない状況では、弾力的には踏み込めないのが実情。定数とは別に、少人数による指導の工夫をすすめている。・・・・加配教員については不足しており国府に強く要望していく。との回答にとどまりました。

 学級定数の少人数化に向けて、他の 自治体では独自に教員を採用し、取り組み初めています。日本共産党は今後も国の制度に任せるだけでなくみなさんと考え取り組んでいきたいと思います。

千代田「西友前」の交通混雑解消を  … だばなか議員が質問

 千代田「西友」前の交通混雑をなんとか解消してほしいという声が多く寄せられています。
 だばなか議員は交通混雑解消について市の取り組みをただしました。
<市の答弁>
 交通混雑の原因として、道路構造や交差点形状等のハード面に起因するものや、迷惑駐車・違法駐車などソフト面に起因するものなど、複合的に絡み合っている。
 今後、交差点改良や歩道整備と併せて、自治会・地元商店等と協力して取り組んでいきたい。

外環上原町〜小山田バイパス平成19年度完成  … だばなか議員が質問

 大阪外環状線上原町から小山田までのバイパス道路の完成はいつか。赤峰交差点の混雑を緩和するとともに小山田地区への消防・防災拠点施設建設との関連もあるので早期に完成せよ。
<市の答弁>
 府・市一体となって用地取得に努めている。工事着工後3年かかる予定で平成19年度中に完成する。

千代田中学など学校からの騒音対策を  … かどの議員が質問

 千代田中学校の太鼓やラッパの音に、学校周辺住民から苦情が出ている。「騒音をまき散らして近所迷惑で困っている。せっかく静かな住宅地を求めてきたのに何とかしてほしい」という声です。早急に対策をとるべきではないか。
 これに対して教育委員会は、根本的な対策を示さず、苦情を聞いているのは一軒だけであり、理解してほしいと答えました。

楠東橋付近の危険な放置自転車・単車の改善を  … かどの議員が質問

 楠東橋付近のワンルームマンションの放置自転車や単車は児童の安全な通学の妨げになっている。早急に改善せよ。
 これに対して市当局は、マンション所有者に改善を申し入れるとともに、自転車の持ち主に通告すると答えました。

三日市小学校グランド東側 法面の保護対策を  … 南議員が質問

 3月1日、三日市小学校のグランド東側の法面が崩落した。続いて法面が崩落する可能性がある。生徒が安心して通える学校にするために保護対策をすすめよ。
<市の答弁>
 現在は地権者の調査中である。全体的に保護していきたい。工事は一両年のうちにしていく。

安く使える市営斎場の整備を  … 南議員が質問

 今の市営斎場は、お通夜が出来ないために利用は年に10件もない。一人住まいの高齢者は葬儀にお金がかからないように市営斎場の改善と改修を望んでいる。早くすすめよ。
 窓口に相談に来る高齢者に行政が仲介して親切に対応せよ。
<市の答弁>
 市営斎場の施設整備は検討していく。平成18年から火葬棟の工事を行い、順次、お通夜が出来るように改善をしていく。
 市民からの葬儀への相談については、良い方法を研究していきたい。

住んでよかった街づくりを  … 吉田議員が質問

 大矢船隣接地(エパック)の住民に大きく影響することになった合併浄化槽設置事業の改定などのように、住民に不利にならないよう制度変更は住民にもっと周知徹底すべきではないか。
 また、南花台8丁目隣接地に建設された楠ヶ丘(ロイヤルタウン南花台東)の住民が「ゴミを捨てる場所が決まらない、自治会はどこに入会したらよいか決まらない」など困っている。移り住んだ住民が住みやすいようにせよ。
<市の答弁>
 今後はこのようなことがないように努力する。

痴呆性老人の施策の充実を  … 吉田議員が質問

 痴呆性老人など誰もが安心して老後が送れるように、安い料金で特別養護老人ホームなどに入れるようにせよと質問しました。
 これに対し市当局の答弁は、見通しのある具体策は出されませんでした。
 今後もみなさんとともに、安心して老後が暮らせるようにがんばります。

市道小山田ー高向線(悦過坂)拡張工事早期に完成せよ  … にわ議員が質問

 高向・旭ケ丘地域と小山田・広野地域を結ぶ市道小山田ー向線の拡張工事、外環状から高向小学校間の計画は、H13年度は概略設計すると聞いているが、計画はどうなっているか。
<市の答弁>
 現在地権者と交渉中なのでもうしばらくかかる。
 にわ議員は早期に完成し、できるところからでも拡張工事せよと要望しました。

市庁舎や集会所など‥
既設の公共施設にも細やかな配慮と支援を
  … 宮本議員が質問

 宮本議員は市庁舎内やラブリーホールなど具体例をあげながらバリアフリーの観点で見直すこと、又、自治会館など段差の多い集会所など従来の補助事業以外にもバリアフリー化を促進するための補助を検討するよう求めました。
 それに対し当局からは構造上物理的に改修改善が困難なものも工夫や職員のきめ細やかな対応等市民にとって利用しやすい環境づくりにつとめると回答を得ました。


保健所を存続し重症急性呼吸器症候群(SARS)など
  感染症対策の強化を

 日本共産党市会議員団は6月初めに重症急性呼吸器症候群(SARS)など感染症対策の強化を求める申し入れをおこないました。
 内容は「保健所は市民の健康と公衆衛生を保持する上でますます重大な役割を担っています。保健所支所の本所への統合計画を中止し、保健所が地域に密着した活動が推進できるよう府に強く要請すること」など4項目にわたっています。
 保健所の問題は関西で台湾人医師の来日にかかわって不安をもたらした際にも、その重要性が浮き彫りになりましたが、市議会でも一般質問の中でこの問題を取り上げ、市の姿勢をただしました。市当局は「保健所については存続を府に申し入れしている」と回答をしています。
 日本共産党は、今後も市民の安全を守る立場で府にも保健所の存続を訴えるとともに、SARSなど感染症対策の強化を求めていきます。


下里町残土の山にかかわる学校排水路工事契約締結の件
  自民党系会派 楠水会まっぷたつ

 二日開かれた第二回定例会の本会議で、以前より懸案事項である下里町残土の山にかかわる件で、ことの発端となった西中、天野小学校の排水路の付け替え工事の問題がようやく決着する運びとなりました。これはサニータウン自治会の請願を市議会が全会一致で採択し実現に至ったものです。
 ところが本議会の工事請負契約締結の議案採決の中で、楠水会7名の内3名の議員と保守系無所属の議員一名が反対をしました。本工事は残土の山の問題の解決に向け業者との過去のいきさつを断ち切るためにも一定の費用はかかるが踏み切らなければならないこととして、この間議論を重ねすでに三月議会で予算化され楠水会も賛成しています。
 傍聴されていた市民からは、「この工事の実施は業者との悪しき関係を行政が断ち切れるかどうかの試金石。それに与党であるのに反対するとは、やっぱり・・・・・」と感想をもらしていました。
 日本共産党は本工事が残土の山の解決にすぐ結びつくわけではないが、その第一歩。今後は通学路の安全確保の問題など市民のみなさんと共同して解決に向けがんばります。


《海外視察案件》
 公明党さん…あれれ??

 六月議会初日、本会議に追加議案として「平成十五年度全国市議会議長会豪州・ニュージーランド都市行政調査団の一員として安田剛議員(楠水会)を派遣すること」についての議案が提出されました。公明党は、討論の中で財政難の厳しいおり、自粛していく必要があるといいつつも今後の課題だとして本案件に賛成をしました。
 ところが議会前、駅でまかれている公明党市議のビラには、『政策実現の党です』の項目の中で「・・・地方議会でも、海外視察の自粛などの改革を推進しました。・・・」と書かれています。市民への態度と、議会での態度とこれほどはっきり違うとはどう考えたらいいのでしょうか。
 日本共産党は、視察そのものは先進部門を学ぶ立場から必要な議員活動と位置付けていますが、過去からの慣習で続けている観光的要素のある海外視察は厳しい財政状況の中で、自粛すべきと以前から一貫して反対しています。
 ちなみに海外視察を現在も続けているのは大阪府内では八尾市、箕面市、河内長野市の三市のみです。


日本共産党 一般質問

 だばなか光議員

1、マンション建設中に破綻した「セザール貴望ヶ丘」の建物は今後どうなるのか。
2、道路・交通問題について
 ・千代田西友前の混雑解消について。
 ・外環上原町から小山田までのバイパスの完成はいつか。

 かどの雄一議員

1、市の公共工事の業者選定や下請け、設計金額、予定金額について。
2、千代田中学などの太鼓・ラッパなどの騒音対策は。
3、楠町東のワンルームマンション周辺の放置自転車・単車について。

 吉田礼子議員

1、住みやすい街づくりを。
 ・大矢船隣接の住宅地(エパック)の浄化槽問題について。
 ・南花台8丁目隣接の楠ヶ丘番地の住宅の問題について。
2、小中学校の教室にクーラーや、せめて扇風機の設置を。
3、介護保険制度の下での痴呆性高齢者施策の充実を。

 南あきら議員

1、市立三日市幼稚園に3才児保育を実施し、私立幼稚園3才児にも補助金を拡大せよ。
  また、三日市小学校のグランド東側の崩壊対策について。
2、一人住まいの高齢者など葬儀が安くできるよう市営斎場の改善などをせよ。

 にわ実議員

1、有事法制について、市長の見解を問う。
2、安心・安全な街づくりを。
 ・国民健康保険高齢者受給者の高額医療費の申請を簡略化するよう改善せよ。
 ・学校の耐震工事を早急に進めよ。
 ・市道小山田高向線の拡張工事の進捗状況は。

 宮本さとし議員

1、小学校低学年からでも少人数学級に取り組め。
  また、40人を超えたクラスは学年途中でも保護者の声を尊重し学級編成の見直しを。
  公立学校・幼稚園の禁煙の取り組み状況は。
2、市庁舎など既存の公共施設にもバリアフリー化をすすめよ。
3、SARSなど感染症対策の体制の確立を。

 

6月議会日程表
 2日 午後1時〜 本会議 全議員
16日 午前10時〜 本会議(一般質問) 南、かどの
17日 午前10時〜 本会議(一般質問) だばなか、南、吉田、にわ、宮本
23日 午前10時〜 福祉教育常任委員会 南、にわ
24日 午後1時〜 総務常任委員会 だばなか、吉田
25日 午前10時〜 本会議 全議員
26日 午前10時〜 本会議 全議員
27日 午前10時〜 本会議 全議員


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